メナどうも、機械と電気の両方をこなすハイブリッドエンジニア、メナ(@menachite)です。今回は接地抵抗計(アーステスター)比較です。絶縁抵抗計とセットで語られることが多い計器ですが、測定方式(2極/3極/クランプ)によって使い勝手が大きく変わるので、そこを軸に厳選しました。
接地抵抗計は、アース(接地)が漏電時にきちんと電流を逃がせる状態かを確認する計器です。簡易点検なら2極法対応のペン型モデルで十分ですが、A種・B種接地工事のような精度が求められる測定には3極法対応機が必須で、多重接地された大規模設備ではクランプ式でないと接地棒を打つスペースすら確保できないケースもあります。
結論から言うと、手早く簡易点検したいなら共立電気計器KEW4300、精密な3極法測定が必要ならKEW4105DL-H、防水性とワイヤレス拡張性を求めるならHIOKI FT6031-50、多重接地された大規模設備を扱うならクランプ式のFT6380-50がおすすめです。理由は後述しますが、測定方式と現場の接地環境から選ぶことが重要です。
この記事では測定方式・防水性・価格の3軸で4製品を比較し、規格(定格電圧・測定レンジ)は全てメーカー公式仕様で裏取りした上で、正直にお伝えします。
結論:目的別おすすめ早見表
先に結論です。「手早く簡易点検したい」なら共立電気計器KEW4300、「精密な3極法測定が必要」ならKEW4105DL-H、「防水性・ワイヤレス拡張性を求める」ならHIOKI FT6031-50、「多重接地された大規模設備を扱う」ならクランプ式のFT6380-50を選べば間違いありません。測定方式・測定範囲の数値は全て2026年8月8日時点でメーカー公式仕様を確認済みですが、購入前に商品ページで最新仕様をご確認ください。
| 製品 | 測定方式 | 測定範囲 | 価格(税別目安) | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|---|
| 共立電気計器 KEW4300 | 簡易2極法(ペン型) | 200.0Ω/2000Ω | ¥35,000(税別) | 手早く簡易点検したい人 |
| 共立電気計器 KEW4105DL-H | 精密3極法/簡易2極法 | 0〜2000Ω(3レンジ) | ¥48,000(税別) | 精密な3極法測定が必要な人 |
| HIOKI FT6031-50 | 2極法/3極法自動切替 | 0〜2000Ω(3レンジ) | ¥55,500(税別) | 防水性・ワイヤレス拡張性を求める人 |
| HIOKI FT6380-50 | クランプ式(接地棒不要) | 0.20〜1600Ω(10レンジ) | ¥177,000(税別) | 多重接地された大規模設備を扱う人 |
接地抵抗計(アーステスター)おすすめ4選
共立電気計器 KEW4300





接地棒を打ち込む手間なくサクッと測りたいなら、僕はこのKEW4300を勧めます。ペン型で220gと軽いので、点検の合間にポケットから出してパッと当てるだけで済むのが助かります。
共立電気計器KEW4300は、接地棒を使わないペン型の簡易接地抵抗計です。公式仕様(2026年8月8日確認、https://www.kew-ltd.co.jp/products/detail/00259/)によると測定範囲は200.0Ω/2000Ω、電圧測定はAC5.0〜300.0V/DC±5.0〜±300.0V、安全規格はIEC61010-1 CAT III 300V。感電・漏電遮断器(ELB)の誤動作を防ぐため、測定電流を最大2mAに抑えた微小測定電流方式を採用しています。


正直に言うと、KEW4300は簡易2極法のため、A種・B種接地工事のような高精度が求められる測定には向きません。精密な3極法での測定が必要な場合は、後述のKEW4105DL-Hを選ぶ必要があります。
コンセントや分電盤のアース状態を手早く点検したい方、接地棒を打ち込むスペースがない現場で作業する方に向いています。


共立電気計器 KEW4105DL-H





精密な3極法での測定が必要な現場では、僕はこのKEW4105DL-Hを使っています。IP67で水濡れを気にせず使えるうえ、応答速度も2秒と速いので、屋外の点検でもテンポよく進められますね。
共立電気計器KEW4105DL-Hは、精密な3極法と簡易2極法の両方に対応したデジタル接地抵抗計です。公式仕様(2026年8月8日確認、https://www.kew-ltd.co.jp/products/detail/01274/)によると測定範囲は0.00〜20.00Ω/0.0〜200.0Ω/0〜2000Ωの3レンジ、接地電圧測定はAC0.0〜300.0V(45〜65Hz)/DC±0.0〜±300.0V。IEC60529(IP67)の完全防水構造で、業界最速級となる2秒の応答速度を実現しています。


ここは正直に書きますが、KEW4105DL-Hは3極法で使う際に補助接地棒2本の打ち込みが必要で、KEW4300のような手軽さはありません。手早い簡易点検が目的なら、前述のKEW4300のほうが現場での取り回しは良いはずです。
A種・B種接地工事など精度が求められる測定を行う方、屋外や水濡れ環境での使用が多い方に向いています。


HIOKI FT6031-50





2極法と3極法をボタン一つで切り替えたいなら、僕はこのFT6031-50をおすすめします。オプションのワイヤレスアダプタを付ければスマホに直接データを飛ばせるので、記録の手間も省けて一石二鳥です。
HIOKI FT6031-50は、2極法・3極法を自動判別で切り替えられる防水対応の接地抵抗計です。公式仕様(2026年8月8日確認、https://www.hioki.com/jp-ja/products/ground-testers/resistance-earth/id_6781)によると測定範囲は0〜20.00Ω/0〜200.0Ω/0〜2000Ωの3レンジ、接地電圧測定は0〜30.0Vrms。防塵性能IP6X・防水性能IP×7(EN60529準拠)で、1mの落下試験にも耐える設計です。


正直なところ、FT6031-50単体ではワイヤレス機能は使えず、オプションのワイヤレスアダプタZ3210(別売)を追加購入する必要があります。データ転送機能が最初から欲しい場合は、価格に別途アダプタ代が上乗せされる点に注意してください。
屋外・水濡れ環境での使用が多く、2極法と3極法の両方を状況に応じて使い分けたい方、将来的にワイヤレス化も検討したい方に向いています。


HIOKI FT6380-50





多重接地されたビルや工場の設備では、僕はこのFT6380-50一択です。接地線をクランプで挟むだけで、接地棒を打つことも回路を切り離すこともなく測定できるのは、正直他のモデルにはない大きな武器です。
HIOKI FT6380-50は、接地線をクランプで挟むだけで測定できるクランプ式接地抵抗計です。公式仕様(2026年8月8日確認、https://www.hioki.com/jp-ja/products/ground-testers/resistance-earth/id_6813)によると測定範囲は0.20〜1600Ωの10レンジ、定格電圧はAC600V(測定カテゴリIV、想定過渡過電圧8000V)。最大φ32mmの導体をクランプでき、電流測定機能(20mA〜60A)も備えているため、漏洩電流・負荷電流の確認にも使えます。


正直に言うと、FT6380-50は本記事の中で最も高価格帯(177,000円・税別)です。単独接地の一般住宅・小規模施設の点検には前述のKEW4300やKEW4105DL-Hで十分で、クランプ式の恩恵を最大限受けられるのは多重接地された大規模設備が中心です。
ビル・工場・送電鉄塔など多重接地システムを扱う方、接地棒の打ち込みや回路の切り離しができない現場で作業する方には、価格に見合う効率化が得られるはずです。


接地抵抗計専用アクセサリー|あると便利な併用計器
接地抵抗計だけでなく、測定前後の安全確認に使う機器を揃えておくと現場作業がより安全になります。ここでは本記事のモデルを問わず併用したい2種類を紹介します。
検電器(測定前の通電確認用)
接地抵抗計で測定する前には、対象回路が通電していないことを検電器で必ず確認します。通電中の回路に接地抵抗計を当てると誤測定や機器故障の原因になるため、セットでの携行をおすすめします。詳しくは後述のHIOKI検電器・テスター記事もご覧ください。
絶縁抵抗計(メガー)
接地抵抗計がアース(接地)の機能を確認するのに対し、絶縁抵抗計は配線・機器内部の絶縁劣化を確認する、電工にとってもう一つの必須計器です。詳しくは前述の絶縁抵抗計比較記事で解説しています。
選び方・注意点
接地抵抗計を選ぶ際にまず確認すべきは測定方式です。簡易2極法は補助接地棒が不要で手軽ですが精度は3極法に劣り、A種・B種接地工事のような規定値ぎりぎりの判定には向きません。精密な測定が必要な現場では3極法対応機を選ぶ必要があります。
多重接地された建物・設備(ビル・工場・送電鉄塔など)では、そもそも接地棒を打ち込むスペースがない、あるいは対象の接地線だけを切り離せないケースが多く、その場合はクランプ式でないと物理的に測定できません。現場の接地環境を先に確認してから測定方式を選ぶことが重要です。
本記事で掲載した定格電圧・測定範囲の数値は、2026年8月8日時点で共立電気計器(kew-ltd.co.jp)・HIOKI(hioki.com)の各公式製品ページで確認したものです。定格電圧・測定レンジを誤って認識すると測定ミスや感電リスクに直結するため、購入・使用前には必ずメーカー公式の取扱説明書・仕様書で最新情報をご確認ください。



接地抵抗計は「どの測定方式が必要か」で選ぶモデルが変わります。現場の接地環境を確認してから、防水性・価格を比べるとシンプルに選べますよ。
まとめ
接地抵抗計4製品を、測定方式・防水性・価格の3軸で比較しました。手早く簡易点検するならKEW4300、精密な3極法測定ならKEW4105DL-H、防水性とワイヤレス拡張性ならFT6031-50、多重接地された大規模設備ならクランプ式のFT6380-50が候補になります。
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