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メナどうも、現場の工具や仕事道具まわりの情報を発信しているメナです。今日はマルチメーター(デジタルテスター)を、特定ブランドに絞らず横断で比較してみます。
以前、日置電機(HIOKI)のテスター・検電器をまとめた記事を書きましたが、今回はあえてブランドを固定せず、FLUKE・HIOKI・共立電気計器・SANWAという主要4ブランドを横並びで比較します。マルチメーター選びで見落とされがちな「CAT安全規格」の違いにも触れながら、実際にどれを選ぶべきかを整理します。
マルチメーター選びで見落とせない「CAT規格」とは
IEC 61010という国際規格では、測定する場所の電気的な危険度に応じてCAT I〜CAT IVの測定カテゴリが定められています。数字が大きいほど、より危険度の高い場所(配電盤に近い場所など)での使用に耐える設計になっているという意味です。安全レベルを満たさない測定器で高電圧・大電流の箇所を測定すると、感電や機器破損の事故につながる恐れがあるため、測定する場所に見合ったCAT規格の製品を選ぶことが重要です。
また「True RMS(真の実効値)」対応かどうかも重要なポイントです。インバーター機器など波形が歪んだ交流を測定する場合、True RMS非対応の測定器では実際の値と大きくずれた数値が表示されることがあります。紹介する4製品のうち、FLUKE117・HIOKI DT4256・SANWA PC710の3製品がTrue RMS対応です(共立MODEL1009は非対応、詳細後述)。
マルチメーター4ブランド横断比較
CAT規格・測定レンジはメーカー公式スペックで確認した数値です。
FLUKE 117(真の実効値マルチメーター)





電工の間で「とりあえずコレ買っとけ」と言われがちなモデルですが、非接触検電機能が地味に便利で、実際に手が伸びる頻度が高いです。
CAT III 600V(IEC 61010-1準拠)の安全規格に対応した真の実効値(True RMS)マルチメーターです。DC/AC電圧は6.000V/60.00V/600.0Vの3レンジ、電流は6A/10Aまで測定できます。抵抗は600Ω〜40MΩをカバーします。


非接触検電(VoltAlert)機能や、幽霊電圧による誤測定を防ぐLoZ機能を搭載しており、電気工事の現場で「とりあえず1台」として選ばれることが多いモデルです。


HIOKI DT4256(デジタルマルチメータ・最多機能汎用型)





CAT IV対応というのは正直そこまで使う場面は多くありませんが、引込線に近い箇所を測る可能性がある人にとっては安心材料になります。
CAT IV 600V/CAT III 1000V(IEC 61010-1準拠)という4ブランド中で最も上位の安全規格に対応した真の実効値マルチメーターです。DC電圧600.0mV〜1000V(5レンジ)、AC電圧6.000V〜1000V(4レンジ)、電流は直接入力で60.00mA〜10.00A、クランププローブ使用時は10.00A〜1000Aまで測定できます。


抵抗は600.0Ω〜60.00MΩをカバー。日本製で日本語サポートが充実している点も、国内の電気工事士に選ばれる理由の一つです。


共立電気計器 MODEL 1009(デジタルマルチメータ・スタンダードタイプ)



コンパクトで軽い(約280g)ので、工具バッグの隙間に入れておいて「念のため1台」という持たせ方をしている人も多い印象です。
CAT III 300V(IEC 61010-1準拠)対応の平均値整流方式マルチメーターです(True RMS非対応)。インバーター機器等の歪んだ波形を測定する場合、表示値が実際の値からずれることがあります。DC/AC電圧は400.0mV〜600Vの5レンジ、電流は400.0μA〜10.00A、抵抗は400.0Ω〜40.00MΩまで測定できます。4000カウント表示・オートレンジ対応というスタンダードな仕様です。


CAT III 300Vという規格上、大型設備の受電盤など高電圧が想定される箇所には不向きですが、一般的な住宅・小規模施設の電気工事であれば十分な性能です。価格帯も控えめで、予備の1台として持っておきたい人に向いています。


SANWA PC710(真の実効値対応デジタルマルチメータ・パソコン接続型)



パソコン接続でデータを記録できるのは、点検記録を残したい人や、経時変化を追いたい場面で地味に重宝します。
CAT III 600V/CAT II 1000V(IEC 61010準拠)に対応した真の実効値マルチメーターです。DC/AC電圧は60mV〜600Vの5レンジ、電流は600μA〜10Aまで測定でき、抵抗は600Ω〜60MΩをカバーします。


オプションでパソコンと接続してデータ転送ができるのが特徴で、点検記録の管理や経時変化の記録を残したい現場に向いています。国内メーカーらしい丁寧な作りも評価されています。


どれを選ぶべきか|用途別おすすめ
とりあえず定番・非接触検電も欲しい人: FLUKE 117が扱いやすいバランスです。大型設備や引込線に近い箇所も測る可能性がある人: CAT IV対応のHIOKI DT4256が最も安全マージンが大きいです。予備の1台・コスパ重視の人: 共立電気計器MODEL 1009が軽量・手頃な価格帯です。点検記録をパソコンで管理したい人: SANWA PC710のデータ転送機能が活きます。



CAT規格は「数字が大きいほど偉い」わけではなく、測る場所に見合っているかが大事です。オーバースペックを買って安心するより、用途に合わせて選ぶのがコスパの良い選び方だと思います。
アクセサリー|あわせて使いたいテストリード
測定器本体だけでなく、プローブ(テストリード)の状態も測定精度・安全性に直結します。
FLUKE TL75(硬質テスト・リード・セット、CAT IV 600V/CAT III 1000V対応)
硬質プローブと1.22mのテストリードのセットです。保護キャップを付けた状態でCAT IV 600V/CAT III 1000Vに対応しており、多くのマルチメーターに使われている標準的なバナナプラグ(4mm)形状のため、ブランドを問わず使い回しやすいアクセサリーです。


測定器本体は長く使えても、テストリードは先端の劣化や断線で消耗品的に交換が必要になることがあります。予備を1セット持っておくと安心です。


HIOKI一本に絞りたい方はこちら
この記事は複数ブランドを横断して比較しましたが、「同じメーカーで揃えたい」「HIOKI製品のラインナップをまとめて知りたい」という方には、こちらの記事の方が参考になります。計測の本流装備!「HIOKI」検電器・テスター10選を電気工事士目線で徹底解説。
まとめ
マルチメーター選びは、ブランドの好みだけでなく「CAT規格が測定対象に見合っているか」「True RMSに対応しているか」を確認することが大切です。FLUKE・HIOKI・SANWAはTrue RMS対応(共立MODEL1009は非対応)ですが、CAT規格や機能には違いがあるため、ご自身の用途に合わせて選んでみてください。

