家庭向けの包丁研ぎ器は、溝に包丁を通すだけで研げる道具です。水に浸した砥石を用意して、角度を保ちながら研ぐ必要がありません。ただし、研げる包丁の種類は機種ごとに決まっています。両刃だけの機種、片刃にも対応する機種、セラミック包丁を研げる機種があり、買ってから「うちの包丁には使えなかった」となる失敗は避けたいところです。
結論として、ふつうの洋包丁(両刃)なら、京セラの電動DS-38かロール式のDS20S・RS-20BKが選びやすい候補です。刺身包丁や出刃包丁(片刃)も研ぎたいなら、貝印AP0133か片刃専用のAP0162が候補になります。この記事では、京セラ4点と貝印3点の計7点を、メーカー公式の仕様と注意事項に沿って整理します。価格は2026年11月2日時点のAmazon掲載価格をもとにした帯表記で、変動します。
メナ先に「手持ちの包丁が両刃か片刃か、セラミックか」を確かめるのが近道です。それで候補が3点前後に絞れます。
結論|手持ちの包丁が両刃か片刃か、セラミックかで選ぶ
先に結論です。迷ったら、研ぎたい包丁の刃の種類と材質を確かめてください。両刃のステンレス包丁なら選択肢が最も広く、片刃やセラミックは対応する機種が限られます。電動かロール式かは、その次に決めて構いません。
| 研ぎたい包丁 | 選ぶタイプ | この記事の候補 |
|---|---|---|
| ステンレス・鋼の両刃包丁(三徳・牛刀など)を手軽に | 電動 | 京セラ DS-38、貝印 AP0543 |
| 京セラ製のセラミック包丁も研ぎたい | 電動またはロール式 | 京セラ DS-38、DS20S |
| 置き場所を取らず、数回引くだけで済ませたい | ロール式 | 京セラ DS20S、RS-20BK |
| 刺身包丁・出刃包丁(片刃)も研ぎたい | 電動(コンセント式)または片刃専用 | 貝印 AP0133、AP0162 |
| 包丁のほか、はさみや彫刻刀、鎌も研ぎたい | 音波振動の電池式 | 京セラ SS-30 |
先に整理|電動・ロール式・簡易タイプの違い
砥石を使わない包丁研ぎ器は、大きく3つに分かれます。電池やコンセントで砥石を動かす電動タイプ、ローラー状の砥石に包丁を引いて研ぐロール式、そして砥石を順番に使う簡易タイプです。いずれも、研磨角度を手で保ち続ける手間を減らす工夫がされています。たとえば京セラDS-38は、公式ページに研磨角度を一定に保つガイドスロットが付くと書かれています。貝印AP0162は、性質の違う3種類の砥石を順番に使う構造です。
一方で、砥石で研ぐ本格的な研ぎと同じ仕上がりになるとは書かれていません。切れ味にこだわって砥石で研ぎたくなったときは、記事の後半で紹介する砥石の記事が参考になります。
| 比較点 | 電動 | ロール式 | 片刃用の簡易タイプ |
|---|---|---|---|
| この記事の候補 | DS-38・SS-30・AP0543・AP0133 | DS20S・RS-20BK | AP0162 |
| 操作 | 溝やガイドに沿って包丁を動かす | 溝に包丁を入れて手前に引く(RS-20BKは押して引いて約10回) | 3種類の砥石を順番に使う |
| 電源 | DS-38・SS-30は電池、AP0133はコンセント、AP0543はコードレス | 公式ページに電源の記載なし | 公式ページに電源の記載なし |
| 対応する刃 | 機種ごとに異なる | 両刃専用 | 片刃専用 |



電動かロール式かより、両刃専用かどうかのほうが大事です。ここを外すと、買っても使えません。
砥石を使わない電動とロール式の選び方|刃の種類・包丁の材質・厚みを見る
①両刃か片刃かを確認する
洋包丁(三徳・牛刀など)は両刃、刺身包丁や出刃包丁は片刃です。この記事の7点のうち、京セラのDS-38・DS20S・RS-20BKは両刃専用と公式ページに書かれています。貝印AP0543は片刃の包丁には使用できません。片刃に対応するのは、貝印のAP0133(両刃用・片刃用のカートリッジを交換)とAP0162(片刃専用)です。京セラSS-30は、両刃か片刃かが公式ページに書かれていません。
②セラミック包丁を研ぐかを確認する
セラミック包丁を研げるのは、京セラのDS-38とDS20Sです。ただし、どちらも京セラ製以外のセラミックナイフは、きちんと研ぐことができないと公式ページに書かれています。RS-20BK・SS-30・AP0543は、セラミック包丁には使えません。
③包丁の厚みと、特殊な包丁かどうかを確認する
京セラのDS-38・DS20Sは、厚手の刃の包丁を研げません。貝印AP0543は、板厚3mm以上の厚刃包丁に使用できません。パン切りのような波刃や特殊な包丁は、京セラRS-20BK(波刃)、DS-38・DS20S、貝印AP0133(パン切り包丁)の公式ページで、研げない・使用できない刃物に挙げられています。
なお、切れ味の戻り方には限界があります。たとえば京セラDS-38の公式ページは、セラミックナイフは大変硬いため、ご購入時の切れ味には戻りませんと書いています。
電動の包丁研ぎ器4選|電池式2点・コードレス1点・コンセント式1点
電動タイプの4点です。京セラのDS-38とSS-30は電池で動き、貝印AP0543は公式ページにコードレスと書かれています(電池の種類や充電の記載はありません)。貝印AP0133は取扱説明書でAC100Vと書かれたコンセント式です。
京セラ DS-38|京セラ製セラミック包丁も研げる電動タイプ


| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本体サイズ | 155mm×98mm×73mm |
| 重量 | 260g |
| 電源 | アルカリ単3電池×4本(別売り) |
| 対応する刃(公式) | 両刃専用 |
| セラミック包丁 | 京セラ製ナイフ(京セラ製以外はきちんと研げない) |



京セラ製のセラミック包丁も研げる電動タイプは、この記事ではこの1点です。
京セラDS-38は、電動パワーとダイヤモンド砥石で、ステンレス、鋼、セラミックスなどの包丁を研ぐと公式ページに書かれた電動シャープナーです。研磨角度を一定に保つガイドスロットが付き、押すとON、離すとOFFの安全スイッチ構造です。


ターゲットは、ステンレスや鋼の両刃の包丁に加えて、京セラ製のセラミック包丁も1台で研ぎたい家庭です。砥石には工業用ダイヤモンド#600が使われています。


注意点は多めです。片刃包丁やパン切りナイフなどの特殊な包丁、厚手の刃の包丁は研げません。京セラ製以外のセラミックナイフも、きちんと研げません。砥石の交換はできないと公式ページに書かれているため、研ぎ味が落ちたら本体の買い替えを検討します。
京セラ SS-30|はさみや彫刻刀まで研げる音波振動タイプ


| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本体サイズ | 202mm×38mm×57mm |
| 重量 | 135g |
| 電源 | アルカリ単3電池×2本(別売り) |
| セラミック包丁 | 研げない |



包丁のほか、はさみや彫刻刀、鎌まで研げる点が他の6点と違います。
京セラSS-30は、1秒に約150往復の音波振動で研ぐファインシャープナーです。公式ページには、包丁、はさみ、彫刻刀、ピーラー、鎌など色々な刃物に使えると書かれています。


ターゲットは、包丁のほかに、キッチンばさみや彫刻刀、庭の鎌も研ぎたい人です。包丁を研ぐときは、包丁研ぎ用カバーを付けてガイドに沿って動かすと、最適角度で研げるとメーカーは説明しています。


注意点は、金属刃物用で、セラミックナイフは研げないことです。両刃か片刃かは公式ページに書かれていないため、この記事では対応可否を断定しません。砥石部の交換についての記載もないため、研ぎ味が落ちたら買い替えを検討します。
貝印 AP0543|コードレスで静音設計のコンパクト電動


| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本体サイズ | 157×60×46mm |
| 重量 | 165g |
| 電源 | コードレス |
| 対応する刃(公式) | 片刃は不可 |
| セラミック包丁 | 使用できない |



板厚3mm以上の厚刃包丁は使えません。買う前に、手持ちの包丁の厚さを確かめてください。
貝印AP0543は、研ぎやすさ・コンパクト・静音を同時に実現した電動シャープナーと公式ページに書かれています。ワンスリットで簡単・スピーディーに刃付けでき、コードレスで収納しやすい点が特徴です。砥石は酸化アルミニウム系セラミック砥石です。


ターゲットは、狭いキッチンで、出し入れしやすい電動タイプを選びたい家庭です。京セラDS-38と比べると、本体が小さく軽い値です(165gと260g)。


注意点は、片刃の包丁(出刃包丁など)、特殊な包丁(パン切り、ギザ刃等)、厚刃包丁(板厚3mm以上)、セラミック包丁には使用できないことです。公式ページに砥石交換の記載はないため、研ぎ味が落ちたら買い替えを検討します。
貝印 AP0133|両刃用・片刃用の2つのカートリッジが付くコンセント式


| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本体サイズ | 138×111×H105mm |
| 重量 | 875g |
| 電源 | AC100V(取扱説明書) |
| 対応する刃(公式) | 両刃用・片刃用のカートリッジを交換して対応 |



両刃用と片刃用の2つの砥石カートリッジが付いているのは、この記事でこの1点だけです。
貝印SELECT100のワンストロークシャープナーAP0133は、わずか10秒、一回溝に通すだけで研げると公式ページに書かれています。両刃用と片刃用の2タイプのカートリッジを交換することで、洋包丁だけでなく、刺身・出刃などの和包丁にも対応します。取扱説明書には、2種類の砥石カートリッジが付いていると書かれています。


ターゲットは、洋包丁と和包丁の両方を家庭で研ぎたい人です。砥石カートリッジは着脱式で水洗いができ、削りカスを簡単に洗えます。取扱説明書では、水洗いのあとは完全に乾燥させるよう書かれています。


注意点は、使用時間と対象の刃物です。取扱説明書には、2分以上の連続運転はしないこと、再び使うときは15分以上あけることが書かれています。パン切り包丁・はさみ・工具などの特殊刃物には使えません。重量は875gで、この記事の7点で最も重い値です。
ロール式の包丁研ぎ器2選|溝に引くだけの京セラ2点
ロール式の2点は、どちらも京セラの両刃専用です。重量はどちらも60gです。違いは、セラミック包丁に使えるかどうかです。
京セラ DS20S|ダイヤモンド砥石のロール式、セラミックも研げる


| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本体サイズ | 136mm×55mm×50mm |
| 重量 | 60g |
| 対応する刃(公式) | 両刃専用 |
| セラミック包丁 | 京セラ製ナイフ(京セラ製以外はきちんと研げない) |



溝に包丁を入れて手前に引く操作です。京セラ製セラミックナイフも研げます。
京セラDS20Sは、ダイヤモンド砥石を採用したロールシャープナーです。公式ページには、溝に包丁を入れてゆっくり数回手前に引くだけで研げると書かれています。金属製(ステンレス、鋼、チタン)の包丁に加えて、京セラ製セラミックナイフも研げます。


ターゲットは、電池や置き場所を気にせず、両刃の包丁をときどき研ぎたい家庭です。砥石の下にバネを設置して余分な力を吸収し、刃を傷つけにくくする設計と、メーカーは説明しています。日本製です。


注意点は、DS-38と同じです。片刃包丁やパン切りナイフなどの特殊な包丁、厚手の刃の包丁は研げません。京セラ製以外のセラミックナイフもきちんと研げません。砥石の交換はできないため、研ぎ味が落ちたら買い替えを検討します。
京セラ RS-20BK(N)|押して引いて約10回の金属包丁専用


| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本体サイズ | 158mm×58mm×57mm |
| 重量 | 60g |
| 対応する刃(公式) | 金属製の両刃包丁用(両刃専用) |
| セラミック包丁 | 研げない |



金属製の両刃包丁専用です。セラミック包丁は研げない点を、先に押さえてください。
京セラのロールシャープナーRS-20BK(N)は、ファインセラミックホイールを採用した金属包丁専用の研ぎ器です。公式ページには、押して引いて約10回するだけで、荒研ぎと仕上げ研ぎが一度にできると書かれています。


ターゲットは、金属製の両刃包丁だけを使っていて、セラミック包丁は持っていない家庭です。同じ60gでも、DS20Sと違ってダイヤモンド砥石ではなく、ファインセラミックホイールを使います。フィンランドで作られています。


注意点は、出刃包丁や刺身包丁などの片刃包丁、パン切り包丁のような波刃の包丁が研げないことです。セラミックナイフも研げません。公式ページに砥石の交換についての記載がないため、研ぎ味が落ちたら買い替えを検討します。
片刃用の簡易タイプ1選|刺身包丁・出刃包丁向けの関孫六
貝印 関孫六 AP0162|ダイヤとセラミックの3砥石を順に使う片刃専用
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本体サイズ | 117×45×50mm |
| 重量 | 111g |
| 対応する刃(公式) | 片刃専用 |



片刃専用なので、洋包丁の三徳や牛刀には使えません。
貝印の関孫六 ダイヤモンド&セラミックシャープナー片刃用AP0162は、性質の違う3種類の砥石が1本に付いており、これらを順番に使うことで切れ味を戻すと公式ページに書かれた簡易シャープナーです。砥石はダイヤモンド砥石とセラミック砥石で、日本製です。


ターゲットは、刺身包丁や出刃包丁など片刃の包丁を持っていて、砥石を出さずに手入れしたい人です。公式ページには、3種類の砥石を順番に使うと書かれています。


注意点は、片刃の包丁専用であることです。洋包丁の両刃包丁には使えません。公式ページに電源と砥石交換の記載はないため、研ぎ味が落ちたら買い替えを検討します。
包丁研ぎ器おすすめ7選の比較表|タイプ・対応する刃・重量・価格帯
価格帯は2026年11月2日時点のAmazon掲載価格をもとにした帯表記で、モールやタイミングで変わります。購入前に各ショップの表示を確認してください。
| 商品 | タイプ | 対応する刃 | セラミック包丁 | 重量 | 価格帯 |
|---|---|---|---|---|---|
| 京セラ DS-38 | 電動(電池式) | 両刃専用 | 京セラ製ナイフ | 260g | 5千円台 |
| 京セラ SS-30 | 電動(音波振動・電池式) | 公式記載なし | 研げない | 135g | 2千円台 |
| 貝印 AP0543 | 電動(コードレス) | 片刃は不可 | 使用できない | 165g | 2千円台後半 |
| 貝印 AP0133 | 電動(コンセント式) | 両刃用・片刃用の2カートリッジ | 公式記載なし | 875g | 4千円台 |
| 京セラ DS20S | ロール式 | 両刃専用 | 京セラ製ナイフ | 60g | 2千円前後 |
| 京セラ RS-20BK(N) | ロール式 | 両刃専用 | 研げない | 60g | 2千円前後 |
| 貝印 関孫六 AP0162 | 簡易(3砥石) | 片刃専用 | 公式記載なし | 111g | 1千円台 |
砥石が必要になる場面と、研ぎ器の手入れ
砥石が必要になる場面
包丁研ぎ器は、手入れの手間を減らすための道具です。ただし、7点の公式ページを読むと、研げない包丁や刃物がはっきり決まっています。厚手の刃の包丁、片刃(機種による)、パン切りのような波刃は、多くの機種で対象外です。
こうした包丁を研ぎたくなったり、刃先の状態を見ながら手で研ぎたくなったりしたときは、砥石の出番です。砥石の種類は油砥石・水砥石の比較、包丁の種類ごとの選び方は包丁の種類別・砥石の選び方、番手の考え方は砥石の番手の選び方で扱っています。
研ぎ器の手入れと保管
貝印AP0133の砥石カートリッジは着脱式で、取扱説明書には、水洗いのあとに完全に乾燥させるよう書かれています。京セラDS-38には、研ぎクズが飛び出しにくいシャッター構造と集じんファンが付くと公式ページに書かれています。いずれも、使ったあとに削りカスを取り除いてから保管します。



研ぎ器で手軽に整え、必要なときだけ砥石に切り替える。この順番なら、無理なく続けられます。
包丁研ぎ器のよくある質問
包丁研ぎ器で、どんな包丁でも研げますか?
機種ごとに決まっています。京セラDS-38・DS20S・RS-20BKは両刃専用で、貝印AP0543も片刃やパン切りなどの特殊な包丁、厚刃包丁(板厚3mm以上)は使えません。購入前に、公式ページの注意事項を確認してください。
セラミック包丁も研げますか?
京セラのDS-38とDS20Sは、京セラ製のセラミックナイフを研げます。京セラ製以外のセラミックナイフは、きちんと研げないと公式ページに書かれています。RS-20BK・SS-30・AP0543は、セラミック包丁には使えません。
刺身包丁や出刃包丁(片刃)は研げますか?
この記事の7点では、貝印AP0133が片刃用カートリッジで、貝印AP0162が片刃専用で対応します。京セラDS-38・DS20S・RS-20BKは両刃専用で、片刃は研げません。
砥石が減ったり、切れ味が落ちたりしたらどうしますか?
京セラDS-38とDS20Sは、公式ページに砥石の交換はできないと書かれています。ほかの機種も公式ページに砥石交換の記載がないため、研ぎ味が落ちたら買い替えを検討してください。貝印AP0133の砥石カートリッジは着脱式で水洗いができ、取扱説明書では水洗いのあとに完全に乾燥させるよう書かれています。
あわせて読みたい
砥石で研ぐ場合は、油砥石・水砥石の比較が参考になります。
包丁の種類ごとの砥石選びはこちらの記事、番手の考え方は砥石の番手の選び方をどうぞ。
まとめ
砥石を使わない包丁研ぎ器は、研ぎたい包丁の刃の種類と材質で選びます。両刃のステンレス包丁なら京セラDS-38かロール式のDS20S・RS-20BK、貝印AP0543が候補です。セラミック包丁(京セラ製)も研ぐなら京セラDS-38かDS20S、刺身包丁や出刃包丁(片刃)も研ぐなら貝印AP0133かAP0162を選びます。包丁のほか、はさみや彫刻刀、鎌まで研ぎたいときは京セラSS-30が候補です。いずれも、公式ページの注意事項で研げない包丁が決まっているため、購入前に手持ちの包丁を確かめてください。






































