【盆栽鋏・針金切り比較13点】太枝から芽切りまで用途別に迷わない選び方

鶴巻刃物 雅琴 オールステンレス大久保鋏 180mm
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園芸店で買った汎用の剪定鋏1本で、太い枝の付け根から芽摘みまで済ませようとして、切り口がつぶれてしまったり、刃こぼれしたりした経験はないでしょうか。盆栽は樹形を整えることが目的のひとつのため、切り口の潰れや余計な傷は樹形の乱れにそのまま直結します。

これから盆栽の専用道具一式をそろえたい初心者の方も、剪定鋏は持っているものの針金切りや又枝切りといった専用工具が足りていない中級者の方も、悩みの根っこは同じです。汎用の園芸鋏やホームセンターの剪定鋏では、細い小枝の際どい位置での剪定や、針金の除去、太い枝の付け根処理がうまくいかず、盆栽を傷めたり刃を傷めたりしてしまいます。

この記事では、盆栽専用道具を選ぶときに押さえておきたい5つの軸(用途別の刃形状・強度、専用工具の要否、材質、サイズ・全長、手入れ用品の併用)を先に整理したうえで、太枝用から芽切り、針金切り、植替え用まで用途別に商品を紹介していきます。

なお、国内の盆栽愛好家人口についての公式な統計は見当たりませんでした。人数の多寡ではなく、「汎用鋏1本で全工程をこなそうとして樹を傷める」という具体的な困りごとを起点に、道具選びを考えていきます。

目次

盆栽道具を選ぶときの5つの軸

1つ目の軸は用途別の刃形状と強度です。太い枝の付け根をしっかり切るには厚みのある刃が必要で、逆に細い枝や芽を傷めずに切るには薄く鋭い刃が向いています。1本の鋏に両方の役割を求めると、どちらの作業も中途半端になりがちです。

2つ目は専用工具の要否です。針金の除去や太い枝の付け根近くの枝分かれ処理を剪定鋏の代用ですませると、刃こぼれや作業性の低下を招きます。針金切りや又枝切りのように用途が絞られた工具は、その分だけ狙った作業を無理なくこなせます。

3つ目は材質です。ステンレス製はメンテナンスフリーで扱いやすい傾向があり、鋼製は切れ味を重視する一方で手入れの手間がかかります。頻度高く手入れをする時間が取れるかどうかで、向いている材質が変わってきます。

4つ目はサイズ・全長です。盆栽専用鋏は全長170〜210mm程度が主流で、携行性と太い枝への対応力のバランスで選びます。全長が長いほど太い枝に力を伝えやすく、短いほど細部の作業で取り回しやすくなります。

5つ目は手入れ用品の併用です。刃物である以上、切れ味を保つための油差しや研ぎ直しが必要になりますし、樹形づくりにはアルミ線などの資材もあわせて使います。道具本体だけでなく、これらの消耗品もセットで考えておくと後から慌てずに済みます。

太い枝の付け根を切る「太枝用」の鋏

まずは太い枝の付け根をしっかり切るための太枝用鋏です。厚みのある刃で太い枝に力を伝えやすくなっています。

鶴巻刃物 雅琴 オールステンレス大久保鋏 180mm

メナ

大久保鋏は太枝の付け根専用なので、細かい芽摘みまでこれ1本で済ませようとしないのがコツです。

鶴巻刃物の雅琴 大久保鋏は、全長180mmのオールステンレス製で、太い枝の付け根を切る「大久保鋏」と呼ばれる形状の盆栽専用鋏です。汎用剪定鋏では太枝の付け根処理がうまくいかず切り口が潰れてしまう、という悩みを持つ初心者・中級者の両方に向いています。

鶴巻刃物 雅琴 オールステンレス大久保鋏 180mm

オールステンレス製のため、よほど酷使しない限り手入れの手間を抑えやすいのが特徴です。その一方で、厚みのある刃は細い小枝や芽摘みのような際どい作業には不向きで、次に紹介する小枝用の鋏と使い分ける必要があります。

鶴巻刃物 雅琴 オールステンレス大久保鋏 180mm

細い枝・芽を傷めない「小枝用」の鋏

太枝用とは逆に、細い枝や芽を傷めずに切るための小枝用鋏です。薄く鋭い刃で、繊細な作業に向いています。

兼進作 盆栽用 小枝切鋏 全長180mm No.35E

兼進作の小枝切鋏No.35Eは、全長180mmで細い小枝や芽を傷めずに切ることを目的とした鋏です。樹形を整える過程で頻繁に発生する、細い枝先の際どい位置での剪定に向いています。

兼進作 盆栽用 小枝切鋏 全長180mm No.35E

刃が薄い分、太い枝に使うと刃こぼれのリスクが高まります。太枝用の大久保鋏と役割を分けて使うことで、それぞれの刃を長持ちさせやすくなります。

兼進作 盆栽用 小枝切鋏 全長180mm No.35E

小枝から中枝まで幅広く使う「足長盆栽鋏」

太枝用・小枝用のどちらか一方だけを買うのが難しい場合は、小枝から中くらいの太さの枝まで対応する足長タイプの汎用鋏が使用頻度の点で扱いやすい選択肢になります。

藤光 足長盆栽鋏 210mm

メナ

最初の1本を選ぶなら、この足長タイプで日常の剪定を回しつつ専用工具を足していく順番が無理なく続けられます。

藤光の足長盆栽鋏は、全長210mmで小枝から中くらいの太さの枝まで対応できるタイプです。専用工具を少しずつそろえていきたい初心者が、最初の1本として日常的な剪定作業に使う場面に向いています。

藤光 足長盆栽鋏 210mm

近代出版の公式ページに掲載されている同カテゴリ・同じ全長210mm帯の足長盆栽鋏の仕様では、ステンレス材質により切れ味が長持ちしサビにも強いとされています。一方で、太い枝の付け根処理や細部の芽摘みのような専門性の高い作業では、それぞれ太枝用・小枝用の専用鋏に軍配が上がります。あくまで汎用の中心選手という位置づけです。

藤光 足長盆栽鋏 210mm

剪定鋏の代用では刃こぼれする「専用工具」の出番

針金の除去や、フトコロにある枝分かれの付け根の処理は、剪定鋏の代用では刃こぼれや作業性の低下を招きます。ここからは専用工具として用意しておきたい3種類を紹介します。

兼進作 盆栽道具 針金切 大 No.511

兼進作の針金切 大 No.511は、全長200mm前後の盆栽専用の針金切りです。整枝作業や植替え作業のときに、樹形づくりで使ったアルミ線や銅線を切って外すための道具で、樹皮を傷つけやすい針金の巻き戻しではなく、切って外す派の人に向いています。

兼進作 盆栽道具 針金切 大 No.511

近代出版の公式ページに掲載されている同カテゴリ・同じ全長200mm帯の針金切り(大)の仕様では、対応できる針金の太さはアルミ線4mm・銅線10番程度とされています。剪定鋏で針金を切ると刃こぼれのリスクがあるため、専用の針金切りを1本用意しておくと安心です。剪定そのものには使えない専用工具なので、他の鋏と役割が重ならない点は理解しておきましょう。

兼進作 盆栽道具 針金切 大 No.511

岡恒(Okatsune) 芽切鋏 箱入り NO.304

メナ

芽切り鋏は薄刃なので、太い枝を切ろうとせず芽摘み専用と割り切って使うと長持ちします。

岡恒の芽切鋏No.304は、燕三条の老舗園芸刃物ブランドによる芽切り専用の鋏です。芽摘みの頻度が高い時期に手元に置いておきたい1本で、細かい芽の位置合わせを丁寧に行いたい人に向いています。

岡恒(Okatsune) 芽切鋏 箱入り NO.304

近代出版の公式ページに掲載されているステンレス芽切り鋏(全長180mm)の仕様では、「錆びに強いステンレス製」で芽切りに最適な薄刃とされています。薄刃ゆえに太い枝の剪定には不向きで、あくまで芽・新梢専用として使い分けるのがポイントです。

高儀(Takagi) 儀助 又枝切鋏 200mm 本鍛造 日本製

高儀 儀助の又枝切鋏は、全長200mmの本鍛造・日本製で、フトコロにある枝分かれの付け根に刃先を入れて剪定するための鋏です。剪定鋏だけではフトコロの奥の枝分かれ処理がうまくいかないと感じている中級者に向いています。

高儀(Takagi) 儀助 又枝切鋏 200mm 本鍛造 日本製

近代出版の公式ページに掲載されている又枝切り(小、全長170mm)の説明では、「奥まった枝元への作業がしやすいのが特徴。剪定鋏よりも太い枝の処理が可能」とされており、同じ又枝切りというカテゴリの特徴と重なります。フトコロの奥に特化した形状のため、開けた場所での通常剪定には使いにくい点はデメリットです。

植替え・整形など細部の作業に使う道具

剪定用の鋏だけでなく、芽の位置を整えたり針金を成形したり、植替え時に根を処理したりする場面でも専用の道具があると作業がスムーズになります。

ビッグマン(Bigman) 宗二郎 盆栽ピンセット (直) SP-39A

ビッグマン 宗二郎の盆栽ピンセット(直)SP-39Aは、ステンレス製のピンセットです。芽摘みの際に不要な芽をつまみ取ったり、土の表面の細かいゴミを取り除いたりする、切るのではなく「つまむ」作業に使います。

ビッグマン(Bigman) 宗二郎 盆栽ピンセット (直) SP-39A

切る道具ではないため、剪定作業そのものの代わりにはなりません。芽かきや細部の手入れを丁寧に行いたい人が、鋏と合わせて用意しておく併用ツールという位置づけです。

ビッグマン(Bigman) 宗二郎 盆栽ピンセット (直) SP-39A

兼進作 盆栽用 矢床(やっとこ)ミニ 全長175mm No.50A

兼進作の矢床(やっとこ)ミニNo.50Aは、全長175mmで針金の捌き・成形に使う専用工具です。枝に巻いた針金を狙った角度で曲げたり、逆に外す下準備をしたりする場面で使います。

兼進作 盆栽用 矢床(やっとこ)ミニ 全長175mm No.50A

針金かけ・針金外しの作業に特化した工具のため、剪定や芽摘みには使えません。針金で樹形を作る作業を本格的に行う人向けの道具で、初めのうちは扱いに慣れが必要です。

兼進作 盆栽用 矢床(やっとこ)ミニ 全長175mm No.50A

仁作 nisaku 富田刃物 植え替え名人S 400 No.1241

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植え替え名人は根鉢処理専用なので、普段の剪定道具とは別の引き出しにしまっておくと出し忘れを防げます。

仁作(富田刃物)の植え替え名人S 400 No.1241は、ステンレス製で刃がしなる構造になっており、植替え時の根鉢処理に使う専用の道具です。根鉢の周りの古い土を落としたり、根をほぐしたりする作業に向いています。

仁作 nisaku 富田刃物 植え替え名人S 400 No.1241

刃がしなる構造は根鉢処理のための設計のため、枝の剪定用途には使えません。植替えのタイミングでだけ必要になる道具なので、年に数回のペースで使う前提で持っておくとよいでしょう。

仁作 nisaku 富田刃物 植え替え名人S 400 No.1241

兼進作 盆栽用 さつき鋏 大 全長180mm No.35A

兼進作のさつき鋏 大No.35Aは、全長180mmで小径枝やつぼみの剪定に使う専用鋏です。さつきのように花芽・つぼみが密集する樹種の剪定で、小回りの利く刃先が求められる場面に向いています。

兼進作 盆栽用 さつき鋏 大 全長180mm No.35A

小径枝専用のため、太い枝の剪定には力不足です。花物・実物など細かい剪定が多い樹種を育てている人が、足長盆栽鋏や小枝切鋏と組み合わせて使う位置づけの道具です。

兼進作 盆栽用 さつき鋏 大 全長180mm No.35A

鋏本体と一緒にそろえたいアクセサリー・併用品

鋏そのものではありませんが、樹形づくりや刃の手入れに欠かせない消耗品もあわせて紹介します。

盆栽用針金:アルミ線 1kg 1.5mm

アルミ線は、盆栽の枝を曲げて樹形を作るために使う資材です。今回紹介する1.5mmは、公式ショップで扱われている1.0〜6.0mmの12段階ラインナップのうちの1本で、比較的細い枝の誘引に向いた太さです。

盆栽用針金:アルミ線 1kg 1.5mm

1巻でまかなえるのは1種類の太さの枝に限られるため、太い枝まで誘引したい場合は複数の太さを買いそろえる必要があります。前述の針金切りや矢床と合わせて使う資材と考えておくとよいでしょう。

AZ(エーゼット) 刃物専用錆止油 天然国産椿油配合 100ml 606

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剪定のあとに刃を拭いて薄く油をなじませるだけでも、サビ予防の手間はぐっと減ります。

刃物用の椿油は、刃の切れ味を保つために使われる手入れ用品です。盆栽道具の専門店でも古くから扱われている用途で、剪定作業のあとに刃へ薄く油をなじませておくことで、サビや汚れの付着を抑える一般的な手入れ方法として知られています。鋏を長く使い続けたい人、剪定のあとの手入れを習慣にしたい人に向いています。

AZ(エーゼット) 刃物専用錆止油 天然国産椿油配合 100ml 606

あくまで油差しによる保護が目的で、切れ味そのものを回復させる研ぎの代わりにはなりません。次に紹介する砥石とあわせて使うことで、鋏を長く使い続けやすくなります。

AZ(エーゼット) 刃物専用錆止油 天然国産椿油配合 100ml 606

岡恒(Okatsune) 剪定鋏用砥石 60g No.412

岡恒の剪定鋏用砥石No.412は、刃物の研ぎ直しに使う併用品です。切れ味が落ちてきたと感じたときに、刃先を整える一般的な手入れ道具として使います。

岡恒(Okatsune) 剪定鋏用砥石 60g No.412

研ぎには一定のコツが必要で、慣れないうちは刃の角度を崩してしまう恐れがあります。最初から研ぎ切ろうとせず、椿油での日常的な手入れと組み合わせながら少しずつ慣れていくのが現実的です。

段階的な揃え方のまとめ

ここまで紹介した内容を整理すると、最初の1本には小枝から中枝まで幅広く使える足長盆栽鋏、そこに太い枝の付け根用の大久保鋏と、細い枝・芽用の小枝切鋏を足していくのが無理のない順番です。

針金かけを本格的に行うようになったら、針金切りと矢床を用意します。芽摘みの頻度が上がってきたら芽切り鋏、フトコロの奥の枝分かれ処理が必要になったら又枝切りというように、作業の幅が広がるタイミングで専用工具を足していくと、道具箱が使わない工具だらけになるのを防げます。

道具本体だけでなく、樹形づくりに使うアルミ線や、刃の手入れに使う椿油・砥石といった消耗品も忘れずにそろえておくと、剪定のたびに道具を探し回らずに済みます。汎用鋏1本で全工程を済ませようとせず、用途ごとに専用工具を使い分けることが、切り口を潰さず樹形を守る近道です。

よくある質問

Q. 最初に買うならどの鋏がいいですか?

A. 小枝から中くらいの太さの枝まで対応する足長盆栽鋏が、使用頻度の点で最初の1本に向いています。そこに太枝用・小枝用を足していくと、無理なく道具をそろえられます。

Q. 汎用の園芸鋏で針金を切ってもいいですか?

A. 剪定鋏で針金を切ると刃こぼれのリスクがあります。針金の除去には専用の針金切りを使うことをおすすめします。

Q. ステンレス製と鋼製はどちらを選ぶべきですか?

A. ステンレス製はメンテナンスフリーで扱いやすい傾向があり、鋼製は切れ味重視ですが手入れの手間がかかります。手入れにかけられる時間で選ぶとよいでしょう。

Q. 刃の手入れはどのくらいの頻度で行えばいいですか?

A. 明確な頻度の基準は確認できませんでしたが、使用後に汚れを拭き取って油をなじませる、切れ味が落ちたと感じたら砥石で研ぐ、という一般的な手入れの流れを目安にするとよいでしょう。

Q. 記事内の商品はどれも同じ価格帯ですか?

A. 商品ごとに価格は異なります。最新の価格は各商品カードから確認してください。

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