メナどうも、 機械と電気の両方をこなすハイブリッドエンジニア、メナ(@menachite)です。
本日は私が気に入って履いていたベージュのパラブーツの染め替えをした記事です。
アルルにも似ていますが、少し違います。外羽根プレーントゥで、形も雰囲気も好きな一足でした。
ただ、明るい色のヌバックは扱いが難しく、雨シミが片側だけ取れないこともあって、思い切って黒に染めようと決意しました。


結論から言うと、手作業でちゃんと黒になりました。
この記事では、染める前の状態から、道具、下処理、染め、仕上げ、黒い靴との比較まで、写真と一緒に順番に紹介します。
最近手放す前に一度、染めてみるという選択肢の背中を押せたらうれしいです。


自分で染め替える前に知っておきたいこと
革靴の色が気分に合わなくなったり、扱いにくいと感じたりしたとき、買い替えだけが答えではありません。
染め替えという方法があり、私は実際にやってみて、黒に変えられました。作業そのものは、順番さえ押さえれば怖くありません。
今回染め替えたのは、パラブーツのデカタグの外羽根プレーントゥで、革はヌバックです。
パラブーツでも染め替えはできたので、気になっている方の参考になればと思います。
起毛のあるヌバックだったことが、そのまま他の革にも当てはまるとは限りませんが、少なくとも私のこの一足は黒になりました。
お手持ちの靴がスムースレザーなのか、
コーティングのある革なのか、起毛革なのかによって、染料の入り方に違いが出ると言われます。
ただ、革の種類ごとの違いを、メーカーが明記した資料は確認できていません。
| 革の種類 | 染め替えの可否 |
|---|---|
| ヌバック(起毛革・今回のパラブーツ) | 黒に染め替えできた |
| スムースレザー | おそらくヌバックと同様の仕上がりにはなりそう |
| 表面にコーティングのある革 | ガラスレザーは不可 |
| スエード | おそらく染め替えは可能 |
ベージュの革靴を黒にした手順
ここからが本題です。ベージュの革靴を黒に染める流れを、デカタグのマスキング、除光液での下処理、コバのマスキング、レザーダイでの染め、確認と塗り残しの仕上げ、クレム1925での仕上げ、の順に紹介します。使った道具は文中で触れるだけにして、製品はあとでまとめて紹介します。
タグをマスキングテープで守る
うちのパラブーツは90年代のもので通称デカタグと呼ばれる現行品より少し幅広サイズです。
染料を塗る前に、色を付けたくない場所を守ります。まず、このパラブーツのデカタグにマスキングテープを貼りました。床に新聞紙を敷いて養生し、作業しました。






除光液で靴クリームを落とす下処理
染める前の下処理として、除光液で靴の表面の靴クリームを落としました。
使ったのは、KOSEのピュアマイルド エナメルリムーバーです。


ゴム手袋をして、除光液で靴クリームを除去しました。


染料が入らないと感じたとき、原因は革の表面にある塗膜かもしれません。
私の靴でそう確認できたわけではありませんが、だから表面のクリームをしっかり落としてから染めました。
なお、除光液がアセトンの代用になると言い切れるかは別の話で、除光液の成分は製品ごとに違います。使う前に、お使いの製品の表示を確認してください。
コバをマスキングテープで守る
下処理のあとは、革靴のコバもマスキングテープで守りました。
コバは細いので、マイナスドライバーの先を使ってコバにテープを貼っていきます。
ここで丁寧に貼っておくと、染料のはみ出しを心配せずに塗れます。







マスキングは地味な作業ですが、ここを丁寧にしておくと、染めるときの気持ちが楽になります。
経験上、だいたいのDIYの失敗の原因は丁寧な下処理をしないことですね。
レザーダイを塗って黒に染める
下処理とマスキングが終わったら、いよいよ染料のレザーダイで黒に染めます。ドキドキ。
使ったのは、Fiebing’sレザーダイ、黒です。
この染め直しで、色を変える役を担ってくれます。


レザーダイの使い方について、協進エルの公式ページでは詳しい説明を確認できませんでした。


成分を見るとアルコールが入っているので速乾性に優れていることが分かります。
この記事では、私が実際に塗って染めた結果だけを紹介します。
こればっかりは塗ってみないとどんな仕上がりになるか分かりません。
まず、端の塗りづらい箇所を細い筆を使って丁寧に仕上げ、その後大部分を刷毛で一気に塗り上げます。


一度目の塗が終わりました。仕上がりはこんな感じです。




マスキングを剥がして確認し、塗り残しを見つける
1回目を塗り終えたら、デカタグのマスキングを剥がして、色が付いていないかを確認しました。
緊張の一瞬・・・!!
守りたい場所を守れているかは、剥がしてみないとわかりません。


続いて、コバのマスキングも剥がして確認します。
ここで出てきたのが、細かい塗り残しです。


コバもきれいな状態で安心しました、ふぅ~マスキングするとしっかり守ってくれますね。


コバの内側に、小さな塗り残しが見つかりました。
私の靴では、テープを貼ったコバの内側に出ました。
爪楊枝を使ってコバと革の間に染料を入れていくように染めたらうまくいきました。



やっていて思ったのは塗り残しが見つかっても、あとから整えられます。そう思えると、気楽に始められます。
染料が優秀なのか塗りのムラはほとんど感じられませんでした。
靴クリームを塗ってブラッシングして靴ひもを付ける
染めたあとの仕上げには、サフィール ノワールのクレム1925を使い、ブラッシングしました。
そのあとで靴ひもを取り付けます。


おお・・・!!いいぞ・・・!?めっちゃかっこよくない!?
マジマジ見つめて靴ひもを付けてみると、思ったより軽い印象で靴ひもがコバの色とあってない!
そこで紐を外して、細かい塗り残しもあらためて仕上げました。
染め替えでは、こうして全体の色をそろえながら進めるのが大事です。


靴ひもも黒に染める
紐の色が合わないなら、紐も黒に染めてしまえばいい。そう考えて、靴ひもも黒に染めました。
迷ったら負けです。同じ染料で染めれば細やかな靴ひもと革の色の違いも防げます。
染めあがったら乾拭きして余分な染料を落とし、最後に蝋引きしておきます。
蝋引きすることで紐事態につやが出て、革と紐の摩擦でお互いを痛めるを軽減してくれますから。
【レザー用の蝋のRINEKRブロックを挿入】


黒い革靴5足と並べて、仕上がりを比べてみた
そして、完成した姿がこちらです。





まって、うちのあのベージュの革靴が、こんなエロ艶なイケメン顔に・・!?!?
とうとうベージュのパラブーツが、黒い革靴になりました!
染め上がった靴がどう見えるか、手持ちの黒い革靴5足と並べて比べてみました。
左下がスムースレザーのマドラスの内羽根ストレートチップ、左上がビルケンのヌバックのロンドン、真ん中がスエード、右上がレザーのエアフォースワンです。


少し近づいて、アップでも比べてみました。
ベージュだった靴が、はじめから黒だった靴と一緒に並んでも遜色ないというか頭一つ抜けて質感が高いです。さすがパラブーツ。




染料と靴クリームは何が違うのか
今回の作業で色に関わったのは、染料と靴クリームの2つです。
役割が違うので、整理しておきます。色そのものを変えるのは染料のレザーダイで、118mlのタイプは全17色から色を選べます。
革靴用の染料をおすすめするなら、色の選択肢が多く、黒を選べる点を挙げたいです。
靴クリームのクレム1925は、メーカーの説明では、ビーズワックス(蜜蝋)ベースで水を使わない油性のクリームです。
栄養とツヤ、補色の効果があり、色素が革に浸透して、風合いを損なわずに自然な仕上がりで補色できる、という説明があります。
では、靴クリームだけで黒くできるのでしょうか。
クレム1925の説明は「補色」「自然な仕上がり」までで、ベージュを黒へ大きく変えるとは書かれていません。
そのため私は、色を変える役を染料に、色とツヤを整える仕上げ役をクリームに任せました。
| 項目 | 染料(レザーダイ) | 靴クリーム(クレム1925) |
|---|---|---|
| 主な役割 | 色を変える | 補色・ツヤ・栄養(メーカー記載) |
| ベース | 未確認 | ビーズワックス(蜜蝋)ベースの油性 |
| 色の選択 | 118mlは全17色 | 未確認 |
| この記事での使いどころ | 黒への染め替え | 染めたあとの仕上げ |
失敗しやすい点と対処
革靴の染め替えは、気をつける点を知っておけば安心して進められます。私の作業で起きたことと、気をつけた点をまとめます。もし思い通りにいかなくても、それは次に生かせる経験です。
色ムラとコバのはみ出しを防ぐ
染め替えの失敗として心配なのは、色ムラと、コバや周りへのはみ出しです。私は、守りたい場所にマスキングテープを貼ってから塗りました。色ムラについて、ほかの人にも効く塗り方を示せるだけの根拠は、今は持っていません。私の場合、塗り終えてマスキングを剥がしたら、コバの内側に小さな塗り残しが出ました。
ソールのゴムに付いたとき
ソールのゴムに染料が付いてしまったときの対処は、私の作業の範囲では確かめていません。無理に断定しないほうが誠実だと考えています。心配な方は、貼る場所を増やして、ソール側も守っておくと安心です。
溶剤の匂いと室内の換気
下処理の除光液や染料には匂いがあります。室内で作業するなら、窓を開けて換気をして、火の気のない場所を選びましょう。アセトンを扱う製品には、火気厳禁と換気を求める注意書きがあります。使う製品の表示を、必ず確認してください。
染料が入らないとき
染まらないと感じたら、表面に残った塗膜やクリームが邪魔をしている可能性があります。私が下処理で靴クリームを落としたのは、そのためです。革の種類との関係までは確認できていないので、ここは断定しません。



失敗しやすいところを先に知っておくだけで、作業中の焦りがだいぶ減ります。
よくある疑問
染めた革靴は、靴下に色移りしない?
これに関しては銀面を塗り、内側をしっかりマスキングすることで防げると思います。
今のところ、靴下への色移りはありませんでした。
染めると革が硬くなる?ひび割れしない?
染料で革が硬くなる、ひび割れが出るといった情報は、確認できていません。
あるとしたらアセトンの影響ですが、今のところ問題は出ていません。
雨で色落ちしない?どれくらい耐久性がある?
染めた革靴が雨で色落ちするか、何ヶ月くらい持つかは、出典のある情報がなく、私も長期の記録を取っていません。また、雨で履いてみて確認してみたいと思います。
染め替えたあと、防水スプレーは使える?
染め替えた後の防水スプレーとの相性は、確認できた情報がありません。使うなら、目立たない所で試してからが安心です。
ベージュ以外の茶に戻せる?
黒に染めた靴を、ベージュ以外の茶へ戻せません。
染め替えは、黒にすると決めて進めるのがよさそうです。
クレム1925は染める前に使う?
私の作業では、レザーダイで染めたあとの仕上げにクレム1925を使いました。
染める前にクリームを落とす下処理をしているので、順番は「落として、染めて、整える」の流れでした。
まとめ
ベージュのパラブーツは、マスキングテープ、除光液、レザーダイ、クレム1925などを使って、手作業で黒に染め替えられました。デカタグを守り、下処理をして、コバも守ってから染める。塗り残しは確認して整える。靴ひもの色が合わなければ、紐も染める。こうした流れと、道具4種と失敗しないコツを押さえれば、挑戦しやすくなります。



お気に入りの一足を、色を変えてもう一度。手を動かして変えた靴は、愛着もひとしおです。
革を扱う別の工作に興味がある方は、こちらもどうぞ。
今回使用した製品
最後に、今回の染め替えで使った製品を、使った場面と一緒にまとめます。
染料: Fiebing’s レザーダイ 118ml 黒(協進エル取扱)
ベージュのヌバックを黒に染めた主役の染料です。118mlのタイプは全17色から選べて、私は黒を選びました。


Amazonで黒を買うなら、油性のプロダイが入手しやすいです。
除光液: KOSE ピュアマイルド エナメルリムーバー
染める前に、靴の表面の靴クリームを落とす下処理で使いました。カードの商品は220ml×2個セットで、写真の除光液と同じシリーズです。
マスキングテープ: ニトムズ プロセルフ マスキングテープS
同じ用途のマスキングテープとして、こちらを紹介します。デカタグとコバに貼って、染料から守る用途で使えます。幅18mm×長さ18mで7巻入り、和紙のテープです。
靴クリーム: サフィール ノワール クレム1925
染めたあとの仕上げのブラッシングに使いました。ビーズワックスベースの油性クリームで、フランス製です。
このほか、新聞紙とマイナスドライバー、ゴム手袋も使いました。どれも手元にあるもので足ります。



















