メナどうも、機械と電気の両方をこなすハイブリッドエンジニア、メナ(@menachite)です。今回はHiKOKI(旧日立工機)の「マルチボルト」システムを徹底解説します。36Vと18Vを1本のバッテリーで使い回せる仕組みは、工具選びのコストを大きく変えてくれますよ。
「HiKOKIって何?旧日立工機と同じ?」「マルチボルト36Vって何が違うの?」——この記事はそんな疑問に答えるために、HiKOKI(ハイコーキ)の主要工具10選を現場目線で徹底解説します。
HiKOKI(ハイコーキ)は、旧日立工機のグローバルブランド名です。2018年に「HiKOKI(ハイコーキ)」に社名変更し、現在は工機ホールディングスが製造・販売を行っています。電動工具メーカーとしての技術と信頼性は日立工機時代から継続しており、建設・設備・造園など幅広いプロ現場で高いシェアを持ちます。
HiKOKI マルチボルト36V技術の強み
マルチボルト(36V/18V自動切替)とは
HiKOKIの最大の強みがマルチボルトバッテリー(BSL36A18シリーズ)です。このバッテリーは36V工具では36Vとして、18V工具では18Vとして自動切替して動作します。つまり、マルチボルトバッテリー1種類で18V工具と36V工具の両方に対応できます。
マキタ40Vmaxが「40V専用バッテリー」なのに対し、HiKOKIマルチボルトは「既存の18V工具資産とバッテリーを共用できる」拡張性が強みです。
HiKOKI製品ラインナップ一覧
18Vシリーズ(スライド式Li-ion対応):
インパクトドライバ(WH18DC)・振動ドライバドリル(DV18DD)・ディスクグラインダ(G18DSL2)・ドライバドリル(DS18DBSL)・ワークライト(UB18DC)・充電器(UC18YML2)など
36Vマルチボルトシリーズ:
丸のこ(C3606DA)・インパクトレンチ(WR36DC)・ブロワ(RB36DA)・チェーンソー(CS3635DB)など
→ マルチボルトバッテリーで18V工具にも36V工具にも対応
マキタ vs HiKOKI 主要スペック比較
プロ現場でよく比較される2大ブランドの違いをまとめると:
| 比較項目 | HiKOKI(マルチボルト) | マキタ(40Vmax) |
|---|---|---|
| バッテリー互換 | 36V/18V自動切替(1種で両対応) | 40V専用(18Vと非互換) |
| インパクト締付最大トルク | 180N·m(WH18DC) | 220N·m(TD002GRDX) |
| 主力充電器 | UC18YML2(DC12V対応) | DC18RC(AC100V専用) |
| カラー | アグレッシブグリーン | マキタブルー |
| バッテリー管理 | 1種のマルチボルトで全工具 | 18V/40V別々に管理 |
既存の18V工具を持っているならHiKOKI(バッテリー移行コスト最小)、新規導入で40Vクラスの高出力を求めるならマキタ、という選択軸が明確です。
HiKOKI おすすめ工具10選
HiKOKI WH18DC コードレスインパクトドライバ 18V マルチボルト対応



インパクトはやっぱりHiKOKIです。トリプルハンマーの打撃フィーリングが他メーカーと違います。長ビスを打ち込んでも回転が落ちない安定感があります。
僕がHiKOKI工具の中でまず最初にすすめるのがWH18DCです。HiKOKI 18Vシリーズの主力インパクトドライバで、トリプルハンマー機構により2022年7月時点の18Vコードレスインパクトドライバ国内メーカー品でクラス最速の締め付けスピードを実現しています。最大締め付けトルク180N·mで、M16ボルトの本締めや長さ150mm以上のコーススレッド打ち込みでも回転数の落ちがなく、安定したビス打ちが続けられます。


ヘッド長114mm、バッテリー込み重量1.6kgのコンパクト設計です。狭所や高所でも取り回しやすいサイズ感です。トリプルLEDライトが広い範囲を照らし、ビットの影が少ない視認性を確保します。18V/4.0AhマルチボルトバッテリーBSL36A18を装着すれば18V機として動作し、将来的に36Vマルチボルト工具を追加した際にも同じバッテリーで対応できます。


僕自身もマキタとどちらにするか迷いましたが、マキタTD002GRDXとの比較では、WH18DCは「打撃フィーリングと軽量設計のバランス」が差別化ポイントです。マキタが「カスタムモードによるトルク精密管理」を重視するのに対し、HiKOKIは「トリプルハンマーによる一貫した高速打撃」に設計思想が集中しています。どちらが正解かは作業内容次第ですが、大工・鉄骨工事など高速打撃優先の現場ではWH18DCの評価が高いです。


HiKOKI DV18DD コードレス振動ドライバドリル 18V


DV18DDはHiKOKI 18Vシリーズのコードレス振動ドライバドリルです。僕は振動ドライバドリルとハンマドリルの使い分けがわからなかった頃、このモデルで「軽穿孔ならこれで十分」と実感しました。振動ドリルモード・ドリルモード・ドライバモードの3モード切替で、コンクリートのφ10〜13mm程度の穴あけからビス締め・下穴あけまで1台でこなせる汎用性が特徴です。最大トルク60N·m以上(機種による)のドリルトルクで木材・金属への穴あけも対応します。


22段クラッチによる精密なトルク制御で、ビス締め時の打ちすぎを防ぎます。コンパクトな本体は狭所や高所でも作業しやすい取り回しの良さがあります。HiKOKIのスライド式18Vバッテリー(BSL1830等)と共用でき、WH18DCやG18DSL2などの18V工具とバッテリーを一元管理できます。
ハンマドリル(DH18DBL等)との違いは「コンクリートへの穿孔能力」です。振動ドライバドリルは軽い振動によるφ13mm程度の穿孔が上限で、φ20mm以上や深穿孔が必要な作業にはSDS対応のハンマドリルが必要です。木工・金属・コンクリート軽穿孔の3つを1台でこなしたい現場での「第一の1本」として実用的な選択肢です。


HiKOKI G18DSL2 コードレスディスクグラインダ 18V





コードレスグラインダでここまでパワーが出るのかと驚きました。鉄筋の切断も問題なくこなせます。
G18DSL2はHiKOKI 18V対応のコードレスディスクグラインダです。100mm(4インチ)砥石対応で、スライドスイッチ式の安全設計を採用しています。耐久性向上型として改良されたモデルで、現場での継続使用に耐える堅牢性が強化されています。ブラシレスモーターが搭載されており、高負荷時でも安定した出力を維持しながらバッテリー消費を効率化します。


スライドスイッチ式により、誤作動リスクを下げながらも素早いスイッチ操作ができます。外径100mmの切断砥石・研削砥石が使えるため、鉄筋の切断・溶接跡の研削・鉄板のバリ取りなど現場の金属加工作業全般に対応できます。18V/4.0Ahバッテリー(BSL1840)装着時の使用時間は、連続切断で20〜30分程度が目安です。


コード式グラインダとの比較では「取り回しの自由度」が最大の違いで、僕はこれを体感してからコード式グラインダに戻れなくなりました。コードが届かない場所での金属切断・溶接後の研削・足場上での作業では、コードレスの機動力が作業効率を大きく改善します。G18DSL2の弱点は長時間の連続重作業でバッテリー交換が必要になる点ですが、2本ローテーション運用で実用的な継続使用時間を確保できます。


HiKOKI RB36DA コードレスブロワ 36V マルチボルト





36Vブロワはパワーが違います。木くずの山を一気に吹き飛ばせます。現場清掃が格段に楽になりました。
RB36DAはHiKOKI 36Vマルチボルト対応のコードレスブロワです。最大風量800m³/hの強力な送風力で、建設現場・造園・農業など幅広い用途の清掃作業に対応します。5段階の風量切替スイッチでシーンに合わせた送風量調整ができ、繊細なほこり飛ばしから大量の葉・木くずの清掃まで1台で対応します。マルチボルトバッテリー(BSL36A18)装着時は36Vフルパワーで動作します。


従来のコンプレッサー+エアブロワと比べて騒音が低く、エアコンプレッサーが使えない場所や住宅地・早朝の作業でも周囲への配慮ができます。連続使用時間はBSL36A18(2.5Ah)装着時で約10〜28分(風量設定による)使えます。BSL36B18X(4.0Ah)なら約20〜56分と大幅に延長されます。ロックオフボタンでスイッチの誤操作を防ぐ安全設計です。


マキタUB002GZ(40Vmaxブロワ)との比較では、RB36DAはHiKOKIのマルチボルトエコシステムに統合できることが大きなメリットです。WR36DC・C3606DAなどの36Vマルチボルト工具とバッテリーを共用でき、充電器1台・バッテリー2〜3本で全36V工具をまとめて管理できます。HiKOKIで工具を統一している職人にとっては自然な選択で、僕もRB36DAを使い始めてから発電機を現場に持ち込む回数が大きく減りました。


HiKOKI CS3635DB コードレスチェーンソー 36V 350mm
CS3635DBはHiKOKI 36Vマルチボルト対応のコードレスチェーンソーで、ガイドバー長350mm(13.8インチ)を搭載しています。ダイレクトドライブ方式によりオイルポンプの慣らし不要で始動できます。コードレス化により、延長コードが届かない山林や農地での伐採・枝払い作業の機動力が大幅に向上します。自動チェーンオイル供給機能でメンテナンスの手間を軽減しています。


ガイドバー350mmは直径20〜30cm程度の丸太の一発切断に対応し、造園・農業・林業の一般的な伐採作業で実用的なサイズです。バッテリー込みの重量は約5kg台と、同出力のエンジンチェーンソーに比べて軽量で長時間作業の疲労軽減効果があります。チェーンブレーキ(キックバック防止)搭載で安全性が高い設計です。


エンジンチェーンソーとの比較では「始動性・排気ガスなし・低振動・低騒音」がコードレスの強みです。エンジン機の「いつでもどこでも使える燃料補給性」には及びませんが、年間を通して週数回程度の伐採作業なら36Vバッテリーのランタイムで十分対応できます。電動工具一本化を進めるHiKOKIユーザーにとって、チェーンソーまでマルチボルトで統一できる利便性は大きなメリットです。


HiKOKI C3606DA コードレス丸のこ 36V マルチボルト 165mm



マルチボルト丸ノコは現場のコードレス化の主役です。木造建前の木材切断がコードなしでできます。これは革命的です。
C3606DAはHiKOKI 36Vマルチボルト対応の165mm充電式丸のこです。36Vのフルパワーで合板・構造材・2×4材などの木材切断をコード式と遜色ないスピードでこなします。最大切込み深さは90度で57mm、45度で40mmで、在来木造・枠組壁工法の現場に使われる一般的な木材寸法に対応します。スーパーチップソー黒鯱(くろしゃち)仕様で、精度の高い仕上がり面が得られます。


36V/2.5Ah(BSL36A18)バッテリー装着時の連続切断枚数は12mm合板で約190枚(メーカー公称値)と、1日の木工作業をカバーするランタイムがあります。電子制御ブレーキでトリガー離しから約2秒で刃が停止し、作業安全性が確保されています。防じん・防水性能(IP5X相当)で木くず・粉塵が多い現場でも安定動作します。


マキタHS001GRDXとの対比では、C3606DAの「マルチボルト36V/18V両対応」の互換性が強みです。同じBSL36A18バッテリーでRB36DA・WR36DC・CS3635DBなどと共用でき、HiKOKIの36Vエコシステムの中核を担う工具です。丸のこを電動工具の中で最初に36V化することで、最も使用頻度の高い工具でバッテリー恩恵を体感できます。僕はC3606DAをメイン丸ノコにしてから、現場でのコードの引き回し時間がなくなりました。


HiKOKI WR36DC コードレスインパクトレンチ 36V マルチボルト



鉄骨の締め付けが格段に楽になりました。36Vのトルクはコード式と比べても全く遜色ありません。
WR36DCはHiKOKI 36Vマルチボルト対応のコードレスインパクトレンチです。最大締め付けトルク350N·m・最大ゆるめトルク500N·m以上(機種設定による)を発揮し、M12〜M16クラスのボルト締め付けを電動で完結できます。摩擦リング式ソケット保持でソケット交換がスムーズで、締め付けトルクを木工モード・ボルト締めモードなど作業に応じて切り替えられます。


ソケット寸法1/2インチ(12.7mm)角ドライブ対応で、タイヤ交換・鉄骨の高力ボルト締め・設備機器の据付ボルト締めなどに対応します。コードレス化により、高所足場・狭所・屋外での締め付け作業の安全性と効率が向上します。BSL36A18マルチボルトバッテリー装着時は36Vフルパワーで締め付けトルクを最大化できます。


電動タイヤチェンジャーとしての用途では、WR36DCは「アグレッシブグリーンの高トルク機」として自動車整備士・建設職人に定評があります。最大ゆるめトルクが高いため、固着したホイールナットのゆるめ作業も対応できます。僕が36Vインパクトレンチを使い始めたのもここがきっかけで、コード式との差が本当に小さいと感じました。HiKOKI 36Vシリーズを使う職人にとって、レンチまでマルチボルトで統一することでバッテリー管理をシンプルに保てる選択肢です。


HiKOKI UB18DC 充電式LEDワークライト 18V 最大4000lm
UB18DCはHiKOKI 18V対応の充電式LEDワークライトで、最大4,000lmの明るさを誇ります。ダイヤル式調光機能で明るさを無段階に調整でき、細かい手元作業から広い現場の全体照明まで1台で対応します。18Vのバッテリーを使いながら4,000lmの高輝度出力を発揮することで、現場照明を電動工具バッテリーで一元管理できます。


ACアダプター(別売)を使えばコンセントからの給電にも対応し、バッテリー残量を気にせず長時間照明として使えます。IP54相当の防じん・防滴性能で雨天や粉塵環境での作業にも対応します。取っ手付きで持ち運びやすく、360度回転するスタンドで照射方向の自由度が高い設計です。


発電機・投光器との比較では、UB18DCは「HiKOKI 18V工具と共用できるバッテリー照明」が明確な差別化点です。夜間作業や暗所での短時間照明が必要な現場で、既存の18Vバッテリーを流用できるため追加コストが発生しません。発電機の騒音や燃料管理のコストを削減できる現場では、UB18DCは実用的な現場照明の選択肢です。


HiKOKI UC18YML2 急速充電器 14.4V/18V
UC18YML2はHiKOKIのスライド式14.4V/18V対応急速充電器です。AC100V(家庭用電源)からの充電に加え、DC12V(車のシガーライターソケット)からも充電できるデュアル入力機能が特徴で、電源が確保しにくい屋外現場や山林・農地での充電作業に対応します。BSL1830(18V/3.0Ah)の場合、AC100V使用時で約22分での急速充電を実現します。
バッテリー残量インジケーター(4段階LED)を内蔵しており、充電器にバッテリーを差し込むだけで現在の残量を確認できます。充電完了時は自動的にトリクル充電に移行し、過充電によるバッテリー劣化を防止します。冷却ファン搭載で充電中の発熱を抑制し、夏場の高温環境でも安定した充電スピードを維持します。
HiKOKI 18V工具(WH18DC・DV18DD・G18DSL2・UB18DC等)のバッテリー(BSL1830/1840/1860)に対応する標準充電器として、HiKOKIシステムに入門する際の最初の充電器に適しています。DC12V充電対応により、現場作業車の中で充電しながら移動できる実用性はHiKOKI工具を複数持つ職人に評価が高いです。
HiKOKI DS18DBSL コードレスドライバドリル 18V


DS18DBSLはHiKOKIの18Vコードレスドライバドリルです。最大トルク70N·mのクラッチ付きドライバドリルとして、ビスの打ちすぎ・材料の割れを防ぐ精密なトルク制御が可能です。インパクトドライバ(WH18DC)では「強すぎる」精密ねじ締めや下穴あけ作業を安全にこなします。18V/14.4Vのスライド式バッテリー対応で、HiKOKI 18Vシリーズのバッテリーを共用できます。


ドリルモード・ドライバモードの2モードで木材・金属・樹脂への穴あけとねじ締めに対応します。コンパクトで軽量な本体設計により、長時間の作業や狭所作業でも扱いやすい取り回しの良さがあります。LEDライト搭載で薄暗い場所での作業視認性を確保します。


WH18DC(インパクトドライバ)との役割分担は「打撃の有無」で明確に区別できます。コーススレッド・長ビスはインパクトドライバ、精密ねじ締め・細工木材・クラッチ制御が必要な作業はドライバドリル——この2本を揃えることで現場での対応力が大幅に向上します。HiKOKI 18Vバッテリーを共用できるため、追加のバッテリーコストなしにラインナップを拡充できます。


まとめ:HiKOKI工具システムを構築する戦略
HiKOKIへの入門として僕がまずすすめる最初の組み合わせは、WH18DC(18Vインパクト)+ UC18YML2(急速充電器)+ BSL1840(18V/4.0Ahバッテリー)×2本です。この構成で、最も使用頻度の高いインパクトドライバの運用を確立し、HiKOKI 18Vバッテリーエコシステムの恩恵を体感できます。
HiKOKIシステム拡張の推奨順序
1. 18V入門:WH18DC + UC18YML2 + BSL1840×2本
2. 18V拡張:DV18DD(振動ドリル)+ DS18DBSL(ドライバドリル)+ G18DSL2(グラインダ)
3. 36V移行:BSL36A18(マルチボルトバッテリー)+ C3606DA(丸のこ)
※マルチボルトバッテリーは既存18V工具にも使えるため移行コストが低い
4. 36V完全移行:WR36DC + RB36DA + CS3635DBで重工具も充電式に統一
5. 照明統合:UB18DCで現場照明も18Vバッテリーに一本化
マキタとの最終的な選択は、手持ちの18V工具資産の多寡で決まります。僕の場合は既存の日立工機18V工具があったので、マルチボルト移行のコストが最小で済みました。既存HiKOKI・日立工機の18V工具があるなら、マルチボルトへの移行コストは最小化できます。詳細な比較はマキタ40Vmaxガイドも参考にしてみてください。




















































