私(メナ)がリフォーム現場で10年以上愛用してきたマルチツールを、2026年版として総まとめしました。一台で切断・研磨・剥離・スクレーピングをこなすマルチツールは、今や工務店・建設業者から本格DIYerまで欠かせない存在です。マキタ・HiKOKI・ボッシュ・Fein・DEWALTの主要ブランドから厳選した機種と、用途別のブレード選びを詳しく解説します。
マルチツールは「本体」と「ブレード」の組み合わせで性能が決まります。どんなに優れた本体でも、作業に合わないブレードを使えば切れ味が落ち、材料が傷みます。木材切断・釘抜き・モルタル削り・塗装剥がしの4用途それぞれに最適なブレードを理解することが、マルチツールを使いこなす第一歩です。
メナマルチツールは「振動工具」とも呼ばれます。ブレードが左右に微振動(1分間に6,000〜20,000回)することで、回転ノコギリでは入らない狭い場所への切り込みや、壁・床を傷つけないスクレーピングが可能になります。
マルチツール 用途別ブレード選び完全ガイド
マルチツールのブレードは用途・素材・作業精度によって選ぶべき種類が変わります。主要な4用途について、最適なブレードの選び方を解説します。
木材切断ブレード(カットソー)の選び方
木材切断に使うカットソーブレードは刃の幅・歯数・素材の3点で選びます。幅の広いブレード(32〜44mm)は直線切断に向き、幅の狭いもの(20mm前後)は曲線カットや隅切りに適しています。歯数は少ないと粗削りで速く切れ、多いと仕上げが綺麗です。根太・フローリング材・石膏ボードの切断にはバイメタル製のブレードを選ぶと、釘が入っていても刃こぼれしにくく長持ちします。
釘抜き・金属切断ブレードの選び方
リフォーム現場で避けられないのが釘入り木材の切断です。通常の木工ブレードで釘に当たると即刃こぼれするため、必ずバイメタル(二金属)製ブレードを使います。バイメタルブレードは高速度鋼(HSS)の刃先を炭素鋼のボディに溶接した構造で、木材中の釘・木ネジ・アンカーボルトを切断できます。金属パイプや薄板を切断する場合は炭化タングステン(TCT)製のブレードが最適で、金属専用の細かい歯で正確に切り進められます。
モルタル・タイル削りブレードの選び方
モルタル目地の削り・タイルの剥がし・コンクリートのはつりにはダイヤモンドコーティングまたは炭化タングステン製のスクレーパーを使います。通常のブレードでモルタルに突っ込むと一瞬で刃が丸くなるため、素材適合ブレードの選定が必須です。目地幅に合わせてブレード幅を選ぶと、周辺タイルを傷つけずに作業できます。水を使わないドライ研削になるため、粉塵対策(マスク・集塵機)を忘れずに。
塗装剥がし・シーリング除去ブレードの選び方
塗装膜の剥離・古いシーリング材の除去・フロアタイルの剥がし作業にはスクレーパーブレードが活躍します。硬鋼製の薄いスクレーパーが振動しながら塗膜の下に食い込み、ヘラでは時間のかかる剥離作業を短時間でこなせます。接着剤の除去には柔軟な長めのスクレーパーが向いており、素材を傷つけずに接着層だけを剥がせます。スクレーパーは消耗が早いので、予備を常備しておくことをおすすめします。
マルチツールの選び方|コードレスvs有線・規格の見方
コードレス vs 有線:どちらを選ぶか
屋外・足場上・電源のない場所での作業が多いならコードレス一択です。18V〜20Vのブラシレスモデルなら有線と比べて遜色ない切断力があります。一方、電源のある作業場で長時間使い続けるなら有線の方がバッテリー切れの心配がなく、出力も安定しています。価格も有線の方が手頃です。
ブレード規格(Starlock・OIS・独自規格)の確認
マルチツール購入前にブレードの装着規格を必ず確認してください。主要な規格は①Starlock/StarlockPlus/StarlockMax(ボッシュ発、マキタ・Feinなども対応)、②OIS規格(HiKOKI・Bosch Professional等)、③各社独自規格の3種類です。Starlock規格は互換性が高く、各社からアクセサリーが豊富に出ているため、初めてマルチツールを選ぶ方にはStarlock対応機種をおすすめします。
おすすめマルチツール10選(プロ向け〜DIY入門まで)
マキタ TM52DZ 充電式マルチツール 18V(本体のみ)





マキタの最新充電式マルチツールはSTARLOCK MAX対応で、ブレード交換がワンタッチで完了します。振動角が3.6°と小さいので疲れにくく、1日中使っていられる軽快さが気に入っています。
マキタTM52DZはSTARLOCK MAX規格に対応した18Vコードレスマルチツールです。先代比で切断速度が約2倍に向上し、ブレードはワンタッチ交換のため現場での段取り替えが大幅に短縮されます。振動角3.6°の低振動設計により、長時間作業での手への負担が少なく、精密な切り込み作業にも向いています。


ブラシレスモーターを採用し、バッテリーの持ちと出力安定性を両立しています。コードレスのため狭小部や足場上での取り回しが自由で、窓枠・建具まわりの切り込み、リフォーム時の床・壁の開口作業に特に威力を発揮します。本体のみモデルのため、既存のマキタ18Vバッテリーを持っている方に最適です。


マキタはSTARLOCK MAXのアクセサリーを豊富にラインナップしており、木材切断・研磨・剥離と用途に合わせてブレードを使い分けられます。18Vプラットフォームのユーザーがマルチツールを追加する場合、TM52DZが現時点での最有力候補です。


HiKOKI CV18DBL(NN) コードレスマルチツール 18V 本体のみ





ハイコーキのマルチツールは操作音が静かで、室内作業でも気を使いません。スタンダードモードとオートモードの切り替えができるので、材料に応じて効率よく使えます。
HiKOKI CV18DBLは18Vコードレスマルチツールの定番モデルです。6,000〜20,000rpmのステップレス変速に加え、負荷に応じて自動的に回転数を調整するオートモードを搭載。初めてマルチツールを使う方でも扱いやすく、切りすぎを防ぐ安心感があります。


OIS規格のブレードに対応しているため、各社互換ブレードを安価に調達できます。LEDライトが刃先を照らすため、薄暗い箇所での作業精度が上がります。ハイコーキの18Vマルチボルトプラットフォームと互換性があり、同プラットフォームを使っている方はバッテリーを流用できます。


ブラシレスモーター採用により長時間作業でも発熱が少なく、バッテリー消耗も抑えられます。木材・石膏ボード・金属パイプまで幅広い素材に対応でき、リフォームやDIYの両方で重宝する一台です。


BOSCH GOP18V-34N ブラシレス マルチツール 18V 本体のみ





ボッシュのマルチツールはStarlockPlusのアクセサリーシステムが優れています。工具なしでブレードが替えられるので、現場でブレードを素早く切り替えながら作業できます。
BOSCH GOP18V-34NはStarlockPlus規格に対応したブラシレス18Vマルチツールです。StarlockPlusのカップ型アクセサリーインターフェースは従来比8倍速のブレード交換を実現し、最大振動数20,000回/分の高速動作と合わさって切断効率が格段に向上しています。


ボッシュのマルチツール用アクセサリーは木材・金属・モルタル・タイルと素材別に豊富なラインナップがあり、一台で多用途に対応できる点が大きな魅力です。本体はコンパクトかつ軽量で、狭い場所でも取り回しやすい形状に仕上がっています。


ボッシュ18Vプラットフォームの電池を既に持っている方にとって、拡張工具として非常に合理的な選択です。ドイツ工具ブランドの品質と豊富なアクセサリー展開を活かして、あらゆるリフォーム作業に対応できます。


Fein MultiMaster AMM 500 AS コードレスマルチツール 18V





マルチツールを世界で最初に作ったのがFein(ファイン)です。振動の少なさと長時間稼動の信頼性は別格で、プロの職人が仕事道具として選ぶ理由がよくわかります。
Fein MultiMaster AMM 500 ASはマルチツールの元祖ブランド・ファインが作るコードレスモデルです。18V AMPShareバッテリーシステムと独自のQuickInシステムを組み合わせ、3秒以内でのブレード交換を実現しています。StarLock Maxマウント対応で、業界標準のブレードも装着可能です。


ファインのDCモーターは高トルク設計で、コード式モデルとほぼ同等の出力をバッテリー駆動で実現しています。防振機能を備え、金属・木材・石材・接着剤除去など過酷な作業でも安定した切断品質を維持します。4Ahバッテリーとナイロンバッグが付属する本格キットです。


プロの工務店や建設業者が長期稼動に耐える工具として選ぶのがファインです。初期投資は高めですが、工具寿命と作業精度のトータルコストで見ると十分な投資対効果があります。マルチツールの「本物」を使いたいプロへの一番の選択肢です。


DEWALT DCS356D1 20V XR マルチツール バッテリーキット





デウォルトのマルチツールは20VのXRシリーズで、タフさが際立ちます。QUICK-LOADシステムでブレードを工具なし交換でき、現場でのスピードが格段に上がります。
DEWALT DCS356D1は20V MAX XRプラットフォームのコードレスマルチツールキットです。ブラシレスモーターを搭載し、変速機能(20段階)で精密な素材への低速仕上げから粗削りの高速作業まで対応できます。QUICK-LOADシステムにより、工具なしで1秒以内のブレード交換が可能です。


DEWALTのマルチツールは特に北米の建設現場での実績が高く、過酷な使用環境での信頼性が証明されています。2.0Ahバッテリーと充電器が付属するキットモデルなので、初めてDEWALTプラットフォームに入る方にも適しています。


窓・ドアフレームのカット、パイプ周りの開口、フローリングの部分補修など、細かな現場作業での使い勝手が優れています。DEWALTの20Vプラットフォームを既に持つ方は本体のみモデルも選べるため、プラットフォーム拡張として検討する価値があります。


マキタ TM3010CT 電気マルチツール(有線・AC100V)





有線のマキタTM3010CTはバッテリー切れの心配がなく、長時間の現場作業に最適です。出力も安定していて、コードレスより切断力が確実に上です。長時間作業の多いプロには有線がまだまだ現役です。
マキタTM3010CTはAC100V仕様の有線電気マルチツールです。電源がある作業場での長時間稼働に向いており、バッテリー残量を気にせず連続作業ができる信頼性が最大の強みです。出力が一定のため、硬い素材(根太・石膏ボード・モルタル)の切断時に安定したパフォーマンスを発揮します。


振動数は6,000〜20,000rpmのステップレス変速で、仕上げ研磨から粗切断まで幅広い素材に対応します。付属のスパナレスプラグにより工具なしでのアクセサリー交換が可能で、段取り替えの手間を省きます。


コードレスモデルに移行が進む今でも、有線モデルは電源のある作業場で最大のコストパフォーマンスを発揮します。価格もコードレスより手頃なため、作業場が固定されているプロや本格DIYユーザーの入門機として最適です。


Bosch Professional GMF30-28 電動マルチツール(有線・300W)





ボッシュプロフェッショナルの有線マルチツールは300Wの高出力が魅力です。大量の切断作業を一日こなす仕事では、有線のパワーは非常に助かります。価格と性能のバランスが取れた業務用の定番です。
Bosch Professional GMF30-28はボッシュプロフェッショナルラインの300W有線電動マルチツールです。オートモードを搭載し、負荷を検知して振動数を自動調整するため、材料の硬さに合わせた最適な切断が自動で行われます。Starlockシステム対応のアクセサリーを使用でき、木材・金属・石膏の各素材対応ブレードを豊富に選べます。


28Nmの高いトルクはリフォーム現場での大量切断作業でも安定した出力を維持します。人間工学に基づいたグリップ設計で長時間作業での疲労を軽減し、振動も低く抑えられています。カーボン素材のハウジングで耐久性が高く、プロの現場での長期使用に耐える品質です。


ボッシュプロフェッショナルシリーズは修理・部品供給のサポート体制が充実しており、業務工具として長く使い続けられます。有線マルチツールの中で信頼性・アクセサリー展開・コストパフォーマンスのバランスが最も優れた選択肢のひとつです。


マキタ A-65707 マルチカッタブレードセット(5種セット)





マキタ純正のブレードセットは精度が違います。他社互換品でも使えますが、純正ブレードの切れ味と耐久性は格別で、結局純正に戻ってきます。セットで揃えると用途ごとに使い分けできて便利です。
マキタA-65707はマルチカッタ用の各種ブレードをセットにした純正アクセサリーです。木材切断・金属切断・研磨・剥離など複数の用途に対応するブレードが揃っており、作業に合わせてすぐに交換できます。マキタのSTARLOCK規格に対応し、TM52DZ・TM3010CTなどのマキタ製マルチツールと確実な互換性があります。


純正ブレードは刃の精度と素材品質が保証されており、切断面のきれいさと刃持ちが互換品に比べて優れています。木材切断ブレードは木目に沿った精密カットに、金属切断ブレードはパイプや釘への対応に使い分けることで、作業効率と仕上がり品質の両方が向上します。


初めてマキタのマルチツールを購入する際に純正ブレードセットを合わせて揃えることで、手持ちのあらゆる材料にすぐ対応できる状態でスタートできます。マキタ工具と純正アクセサリーの組み合わせは、互換性トラブルのリスクをゼロにする確実な選択です。


Bosch マルチツール 替刃 5枚セット(Starlockシステム対応)





ボッシュのStarlock対応ブレードセットは、木材・金属・石膏の各用途に合わせた刃が揃っています。ボッシュ以外のStarlock互換機にも使えるので汎用性が高く、コスパも優秀です。
BoschのマルチツールStarlock対応ブレード5枚セットは、カットソー・スクレーパー・サンディングパッドを含む多用途セットです。Starlockシステムはボッシュ・マキタ・HiKOKI・DEWALT・Feinなど主要メーカーのマルチツールに幅広く対応しており、どのブランドの本体を使っていてもこのブレードを装着できます。


ボッシュの純正ブレードは独自のバイメタル刃や炭化タングステン刃など素材別に設計されており、釘入りの木材・金属・石膏ボードの切断でも刃こぼれしにくい耐久性が確保されています。スクレーパーブレードは塗膜・シーリング材の剥離に、サンディングパッドは仕上げ研磨に使い分けられます。


マルチツールのブレードは消耗品であり、定期的な交換が作業品質の維持に直結します。ボッシュのブレードセットを常備しておくことで、現場での段取り替えをスムーズに行えます。Starlockシステムを使うユーザーにとって最もコストパフォーマンスの高い補充セットのひとつです。


SK11 SMT-200AC コード式マルチツール 200W





SK11のマルチツールは価格の割に使い勝手が良く、DIYの入門機として最適です。初めてマルチツールを試してみたい方や、たまにしか使わない作業に一台置いておくのにちょうどいいです。
SK11 SMT-200ACはAC100V・200Wのエントリーモデルコード式マルチツールです。DIYerや日曜大工で「まずマルチツールを試してみたい」という方に最適な入門機で、木材・プラスチック・薄い金属の切断・研磨・剥離作業をカバーします。


OIS規格に対応しており、各社の互換ブレードを幅広く使用できます。軽量コンパクト設計で片手でも扱いやすく、フローリングの部分張り替えや窓枠のカット、タイルシーリングの剥離など家庭内リフォームの定番作業に対応できます。


プロ用モデルと比べてパワーは控えめですが、DIYレベルの使用頻度では十分な性能です。リーズナブルな価格でマルチツールの便利さを体験し、使用頻度が高まればより上位モデルにステップアップするという選び方が合理的です。


まとめ:マルチツール選びのポイント
マルチツール選びで最初に決めるべきは①コードレスか有線かと②ブレード規格の2点です。既に持っているバッテリープラットフォームに合わせて選ぶのが最もコストパフォーマンスに優れます。マキタユーザーならTM52DZ、ハイコーキユーザーならCV18DBL、ボッシュユーザーならGOP18V-34Nがそれぞれプラットフォーム内の最適解です。
本格的なプロ用途でブランドにこだわりがなければ、マルチツール元祖のFein MultiMasterが振動品質・耐久性ともにトップクラスです。コスト重視の入門機ならSK11 SMT-200ACでマルチツールの便利さを体験し、使用頻度が上がれば上位機種にステップアップする方法もあります。
ブレードは作業内容に合わせて複数種揃えるのが基本です。木材切断・釘抜き・モルタル削り・塗装剥がしの4用途に対応できるブレードセットを一通り持っておくと、現場での対応力が大幅に上がります。ブレードは消耗品なので、純正品かStarlock対応の信頼できるブレードを定期的に補充することをおすすめします。



マルチツールは使いこなせば非常に便利な工具ですが、回転工具のような派手な音がしない分、無理に力を入れすぎる事故が起きやすいです。ブレードは消耗したら迷わず交換し、無理な力をかけずにツールの振動に任せてゆっくり切り進める使い方が、仕上がりの良さと安全性の両方を高めます。



































































