メナ僕はこのサイトで工具や電気工事関連のネタを書いてるんですが、意外と情報が少ないのが「電気保全・電気工事の現場向けの安全靴」です。実は普通の安全靴と違って「絶縁」と「静電気帯電防止」という、目的が真逆の2種類が存在します。今日はこの違いと、それぞれのおすすめモデルを整理します。
「絶縁」と「静電気帯電防止」は真逆の機能
安全靴のJIS T8101規格には、電気に関連する機能として大きく分けて2種類があります。見た目が似ているのでよく混同されますが、目的はまったく逆です。
★規格の補足: 静電気帯電防止性能はJIS T8101/T8103で規格化された性能ですが、絶縁性能はJIS規格そのものではなく各メーカー独自の性能表示である点に注意してください。また本記事のアシックスCP30E・ジーベック85111はJSAA(日本セーフティ工業会)規格認定品であり、JIS規格認定品ではありません。
絶縁(耐電)タイプ
工場の電気保全作業や電気工事など、うっかり低圧回路(交流300V以下、直流750V以下が目安)に触れてしまう可能性がある現場向け。靴底の電気抵抗を高くすることで、体に電流が流れるのを防ぐのが目的です。
★注意: ここでいう「絶縁」は安全靴のソール部分に限定された性能です。高圧の活線作業(充電部に直接触れる作業)を保護する絶縁用保護具(絶縁ゴム長靴・絶縁手袋等、専用のJIS規格で別途定められた保護具)とは規格・用途が異なります。絶縁安全靴だけで高圧の活線作業を行うことはできません。
静電気帯電防止タイプ
逆に、こちらは体に帯電した静電気を靴底からわざと床へ逃がすためのタイプです。静電気の放電による爆発・火災のリスクがある溶剤取扱い現場や、静電気が電子部品を壊してしまう電子機器工場などで使われます。



ここを逆に選んでしまうと、絶縁タイプのつもりで静電気帯電防止靴を履いて感電リスクが残ったままだった、という笑えない話にもなりかねません。用途に合わせて正しく選ぶのが一番大事なポイントです。
おすすめ4モデル比較
絶縁タイプ①:ミドリ安全 絶縁ゴム底安全靴 V251NJT


国内シェアトップクラスのミドリ安全による、JIS T8101基準の絶縁ゴム底安全靴です。樹脂先芯・牛革クロム革のアッパーに、1層構造の合成ゴムソールを組み合わせたベーシックなモデルで、工場の電気保全作業者や電気工事士向けに設計されています。


価格帯も手頃で、絶縁安全靴を初めて導入する現場でまず候補に挙がる定番モデルです。



絶縁安全靴を初めて選ぶなら、まずはミドリ安全のような実績あるメーカーの基本モデルから入るのが無難だと僕は思っています。
絶縁タイプ②:シモン SS11黒絶縁




手足の保護を専門とするシモンのロングセラーモデル「SS11」の絶縁仕様です。理想的な重心移動を描く「Sライン」ソールデザインで耐滑性・安定感に優れ、SX3層底SSソールを搭載。絶縁性能は交流300V以下・直流750V以下の低圧回路作業を想定しています。
ソールの安定感を重視する人や、シモンの標準モデルSS11を通常タイプで既に使っていて絶縁仕様に切り替えたい人にとって選びやすい1足です。



シモンは足回りの作り込みに定評があるメーカーなので、長時間の現場作業がある人には特に相性がいい印象です。
静電気帯電防止タイプ①:アシックス ウィンジョブ CP30E


スポーツシューズメーカーならではの快適性が特徴のアシックス・ウィンジョブシリーズから、静電気帯電防止機能を搭載したCP30Eです。CPグリップソールによる耐滑性・耐油性に加え、かかと部にはGEL素材を搭載し衝撃を吸収。JSAA規格A種認定品です。


見た目もスニーカーに近く、静電気対策が必要な現場でも履き心地・デザイン性を妥協したくない人に向いています。
静電気帯電防止タイプ②:ジーベック 静電プロスニーカー 85111


作業服・安全靴の総合メーカーであるジーベックの静電気帯電防止スニーカーです。樹脂先芯入りでJSAA規格認定、マジックテープ仕様で着脱が楽なのも特徴。ガソリンスタンドや工場など、静電気対策が必要な幅広い現場で使われています。


4E相当のワイド設計で、既存の安全靴だと窮屈に感じる人にも合わせやすいモデルです。



静電気帯電防止タイプは見た目がスニーカーに近いモデルが多いので、作業靴っぽさを出したくない現場でも導入しやすいと思います。
選び方:まず「絶縁」か「静電気帯電防止」かを確認する
現場で求められているのがどちらの機能かを、まず作業指示書や安全管理者に確認するのが大前提です。そのうえで、絶縁タイプならミドリ安全かシモン、静電気帯電防止タイプならアシックスかジーベックというように、機能で絞ってから履き心地やデザインで選ぶのが失敗しない順番です。
普段履きできるカジュアルな安全靴を探している場合は、当サイトの普段履きできる安全靴10選もあわせてご覧ください。
まとめ:目的に合った1足を選ぶ
絶縁と静電気帯電防止は、名前は似ていても靴底が果たす役割が正反対です。まずは今の現場でどちらの機能が必要かを確認したうえで、今回紹介した4モデルから候補を絞ってみてください。
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